銀座【帯4367】藤布 八寸名古屋帯(反端 証紙 栞付)

銀座【帯4367】藤布 八寸名古屋帯(反端 証紙 栞付)

日本の風土が育てた草木を素材とする自然布の一つ、藤布の八寸名古屋帯です。万葉集にもその名が遺る藤布は古代より日本人と共に在りましたが、その過酷な作業工程から中世以降麻や木綿に取って代わられ、徐々に廃れていったとのこと。かろうじて丹後半島上世屋地区に残されていた技術が、加畑兼四郎さんを中心とする方々の尽力によって護り伝えられ、現在も制作が続けられています。こちらは加畑さんの工房・芙留庵さんのお品で、明度を落とした源氏鼠色が近いでしょうか、椿の花弁で染められた深く枯れたお色目が味わい深い無地の八寸名古屋帯。さっくりとして素朴な布味はしな布など他の自然布に共通するものですが、やや抑えた張り、微かにしっとりとした感を覚える優しい手触り、そして花の色を残しているのか、僅かに紫の色みが浮かぶ景色が印象的です。野趣豊かな自然布の中でもどこか女性的な柔らかさが滲む美しい布、かつて厳しい生活での使用に耐えてより味わいを深めたように、長くご愛用頂くことによってこそ、風格ある布の本質に触れて頂けることと思います。涼やかな上布や夏紬にあわせて、上質なカジュアルスタイルをお楽しみ下さいませ。