銀座【帯4407】首里織 手花織 九寸名古屋帯

銀座【帯4407】首里織 手花織 九寸名古屋帯

琉球王府の貴族や士族の衣服として洗練を極めた首里織は、その技法も幅広く、花倉織、首里花織、ロートン織、手縞、綾の中、総絣など様々ですが、今回のご紹介はふっくらとした太糸を刺繍のように浮き上がらせる手花織による名古屋帯です。黒に近いほどに色を深めた濃藍色を背景に、藍濃淡や白橡色、鳩羽色に滅紫色、黒茶色に老竹色など選び抜いた様々な系統の彩りを見事に調和させて、モダンな幾何文様が表現されたお品。洗練されたシックな彩りがつややかに輝く景色は、端正な北欧のステッチを思わせると同時に、暗闇に煌めくネオンのような鮮やかな魅力にも満ちており、作り手の磨き抜かれた技量と感性を感じさせます。琉球王朝文化の粋を、現代に相応しいかたちで見事に映し出した逸品ですね。残念ながら作り手に繋がるものはございませんが、細い地糸による緻密な織り、洗練されたモチーフと色遣い、そして僅かな乱れもなく完璧に整えられた独特の端正な表情、類似のモチーフ等からは、第一人者として「首里の織物」の復元復興に尽くされたルバースミヤヒラ吟子さんの作品を思わせます。ぜひ実際にお手に取ってご覧くださいませ。