銀座【着物3583】日本工芸会正会員 石月まり子作 しじら織り 単衣 着物 銘「初夏の光に」(反端 銘付)

銀座【着物3583】日本工芸会正会員 石月まり子作 しじら織り 単衣 着物 銘「初夏の光に」(反端 銘付)

日本工芸会正会員として活躍なさる石月まり子さんの作品から、しじら織りの着物です。しじら織りと聞きますと、木綿の阿波しじらや洋服用のシアサッカーなどを思い出しますが、どれもごく細かいしぼによって布が肌から離れ、さらさらとして風通しのよい着心地がうれしい夏生地ですね。今回のご紹介はそんな風合いの良さを贅沢な絹素材で極めたお品。潤色と絹鼠色、涅色に丁字茶を組み合わせた縞に細い黒の横段を見え隠れさせた地に、刈安色と芥子色の場を裾袖に置き、更に白と牡丹鼠で円みを帯びためがね織りが配された絵羽紬です。古代種の蚕から得た絹糸の見事な光沢と発色の良さを生かし、また複雑な織りを駆使して羽衣のようなエアリーな軽やかさと肌離れの良い張りを実現しています。夏衣としてこの上ない質感が、同時に圧倒的な美しさを表現する一枚。作り手の鋭敏な感性が随所に輝く、作家作品ならではの存在感を備えた逸品ですね。ぜひお手に取ってご覧くださいませ。