銀座【着物3611】二代目上野為二作訪問着木蘭色四君子に松の図（落款入）

やや色を薄めた木蘭色が近いでしょうか、黄みを強めた鈍いベージュ系の地にほんのりとした淡彩の円い場を置き、菊、蘭、竹、梅の四君子や松をモチーフとしてすっきりと配した訪問着です。色みを抑えた控えめな柄置きのお品ですが、この方ならではのごく細やかな筆によって描かれた静謐で気品豊かな景色が、清澄な存在感を見せていますね。こちらは京友禅の名門・上野家の四代目として活躍なさる上野真（二代目上野為二）さんの作品です。この方は友禅染の技術で重要無形文化財保持者に認定された祖父上野為二さんの作風を汲み、茶屋辻など端正な風景を中心とする精緻な糸目友禅の作品を、究極の技術をもって世に出しておいでです。正統派古典ならではの格調が香る社交着の優品、ぜひこの機会にお手に取ってご覧ください。