銀座【着物3625】浦野理一作 経節紬 絵絣 茶鼠色 楓文
銀座【着物3625】浦野理一作 経節紬 絵絣 茶鼠色 楓文
日本各地の伝統的な染織技法やその歴史についての深い理解をもとに、吟味された素材と妥協のない仕事によって、その一つ一つを最高のかたちで再現なさった染織家・浦野理一さんの作品です。この方の着物や帯を語る際に欠かせないものが経節紬。経糸の大きな節があちこちに顔を覗かせる野趣のある布味が印象的な着物や帯は、今も多くの方から愛されていますね。こちらはやや明度を上げた茶鼠色が近いでしょうか、落ち着いたグレージュ系の地に青みを帯びた黒系の緯糸で絵絣が表現された着物です。楓と思われるたくさんの葉が、丹念な織りで一面に散らされたお品、シックなグレージュとほんのり暈された淡い黒が溶け合う静かな背景にもこの糸独特の質感が美しく息づいています。緯絣らしい輪郭の優しさはそのままに遠目からもくっきりと絵絣が引き立つのは、やはり絣の技術の高さゆえ。素朴な絣着物ながら他とは一線を画すその高い品格と存在感に驚かされますね。秋色の帯を合わせていただけば、まさにこれからの季節に美しく映えますし、爽やかなお色目をのせていただけば青楓の季節にも。どうぞ大切に長くご愛用くださいませ。