銀座【着物3637】日本工芸会正会員 小倉建亮作 繍一ッ紋 訪問着(落款入)

銀座【着物3637】日本工芸会正会員 小倉建亮作 繍一ッ紋 訪問着(落款入)

やや色を薄めた榛色が近いでしょうか、鈍い黄みを帯びたベージュ系の地に細やかな絞りで松皮菱や藤の花葉を白く抜き、煎茶色の市松や辻が花文が配された繍一ッ紋の訪問着です。絞りで象られたモチーフはほんのり柔らかな滲みが美しく、そのどこか幻想的な趣きをほっそりとしたカチンの緊張感がすっきりと引き締めていますね。精緻な筆の運びに作り手の確かな技量がうかがわれる正統派辻が花の名品です。こちらは日本工芸会正会員として活躍なさった染色作家・小倉建亮さんの作、小倉さんは家業の友禅に加えて絞りの技法を学び、幻とされた辻が花を今の世に蘇らせたことで良く知られた方ですね。友禅、絞りの双方で高度な技を極めた小倉さんの作品は、上品な淡彩を用いた色遣い、滲みや繊細な筆を生かした構成に独特の洗練を感じます。訪問着らしい格調と典雅な存在感が、着る人を気品豊かに引き立ててくれる一枚。ぜひお手に取ってご覧くださいませ。