銀座【着物3641】曽根武勇作 経錦 着物

銀座【着物3641】曽根武勇作 経錦 着物

鳩羽色に柳茶色、桔梗鼠色や霞色、彩度を上げた錫色、樺茶から榛色などが近いでしょうか。柔らかなグレイッシュトーンの様々な濃淡によって格子や唐草、花文などを詰めた間道などが、段替わりに色柄を違えて織り出された絵羽模様の着物です。究極の技を尽くした経錦で手織られており、繊細な色の変化は全て、綿密な計算がなされた絣括りの技法を用いた先染めによることを、経糸の小さな絣足が教えてくれます。一見シンプルな格子も経糸緯糸の単純な並びではなく、全て経錦によって浮かび上がらせたもの。手に取って近くみればその複雑な組織に驚かされます。こちらは公家装束の製織などを一手に担ってきた西陣という産地の高度な技術を、今なお最高のかたちで守り続ける伝統工芸士・曽根武勇さんの作品。程良い張りと絶妙な落ち感、身体が中で浮いているかのような極上の着心地は、高貴な方々の衣は斯くや、とも思わせる西陣の本質を伝えていますね。丹念な仕事を重ねて制作された織りならではの気品香る景色、穏やかな光沢はどのような場面でも着る人を上品な華やぎで包み、改まったお席や晴れやかな場面でも格別の存在感をお楽しみ頂けることと思います。ぜひこの機会にお手に取ってご覧くださいませ。