銀座【着物3688】清染居製 訪問着 銘「比良暮雪」(落款入)

銀座【着物3688】清染居製 訪問着 銘「比良暮雪」(落款入)

絹鼠色が近いでしょうか、僅かな色味を含んだ穏やかな淡いグレイの縮緬地に白鼠色や銀鼠色で、山裾から連なる水辺の景色を繊細な糸目友禅で表現した上品な訪問着です。琵琶湖西に聳える比良山系の山並みが雪に覆われる様子を遠方から描いた情景は、近江八景の一つとして名高い比良暮雪。虫襖色濃淡や青碧色のモダンな爽やかさ、蘇芳香の柔らかな赤み、古代紫の上品な華を効果的に添えながら、降り積もる雪によって音までもが消えゆくような静かな世界が、精緻な筆で丹念に写し出されています。こちらは友禅の世界で初の人間国宝に認定された故 上野為二さんの優美な作風を受け継ぐ、京加賀友禅の工房・清染居さんの作。極細い糸目の美しさや上品な挿し色が映える気品豊かな世界はやはり、上野家ならではの見事なお仕事です。工房を主宰するのは為二さんの次男・清二さんに嫁がれた上野街子さん。上野家の伝統である典雅な古典意匠を継承しながらも、ほんのりと香る品の良い女性らしさは、この方が育て上げた清染居の個性ですね。どのような場面でも安心してお召し頂ける正統派のフォーマル、晴れやかなお席にいかがでしょうか。