銀座【着物3750】菊池洋守作 八丈織 着物(余り布 紙札付)

銀座【着物3750】菊池洋守作 八丈織 着物(余り布 紙札付)

やや明度を落とした栗色が近いでしょうか。こっくりと深みのある独特の彩りが美しい紬織の無地着物です。とろりと肌に添うしなやかな風合いに確かな上質感が光る一枚、こちらは数年前に逝去されました菊池洋守さんの貴重な作品です。柳悦博さんに師事、のちには白洲正子さんにもその才を認められたこの方が、八丈島の工房で丹念な手仕事を重ねて一反一反織り上げた布は八丈織と名付けられています。菊池さんの織りといえば、洗練された淡彩やシックなニュアンスカラーを用いた精緻な綾織や吉野織のエレガントな表情の品々を思い浮かべますが、今回ご紹介する着物は黄八丈の基本に立ち返ったようなシンプルな平織りによるもの。タブノキ(マダミ)の樹皮から得た色は鳶八丈として馴染み深いものですが、温かみのあるまろやかなお色の美しさを、光沢豊かな極上の糸が見事に引き立てていますね。平織りの無地、という選択は糸、染め、織りの本質を全て顕わにしてしまうものと聞いております。名手として知られた菊池さんが敢えて手掛けたベイシックな逸品、合わせる帯も幅広く様々な機会に活躍してくれることと思います。ぜひお手に取ってご覧くださいませ。