銀座【着物3762】菊池洋守作 八丈織 着物(反端 証紙付 伊勢丹扱い)

銀座【着物3762】菊池洋守作 八丈織 着物(反端 証紙付 伊勢丹扱い)

赤墨色が近いでしょうか。微妙な濃淡が入り交じるこっくりと深みのある焦茶系のお色目が美しい無地の着物です。こちらは数年前に逝去されました菊池洋守さんの貴重な作品。柳悦博さんに師事、のちには白洲正子さんにもその才を認められたこの方が、八丈島の工房で丹念な手仕事を重ねて一反一反織り上げた布は八丈織と名付けられていました。今回のご紹介は真綿を一度解した後に糸を手で引き出す「ズリだし」という古い手法を用いての糸づくりから始まる、気の遠くなるような仕事が尽くされた稀少な逸品、おやり紬です。見事な光沢を備えた緻密な綾織りに代表される菊池さんらしい作品群とは全く質感が異なりますが、糸に負担が掛からない分、損なわれない絹本来の艶めきが滲むように輝き、実に深みのある景色を生みだしていますね。明るい陽差しに溶け込む静かな色、優しくも弾力のあるふくよかな糸味が、紬があるべき本来の姿をそっと教えてくれるように思います。ぜひこの機会にお手に取ってご覧下さいませ。