銀座【着物3821】本塩沢 単衣 着物「並び蝶」(反端 証紙付)
銀座【着物3821】本塩沢 単衣 着物「並び蝶」(反端 証紙付)
全体の印象は青磁鼠色が近いでしょうか。緑青色と白色、革色をこまやかに組み合わせた地に、蚊絣や市松を詰めた蝶を白く抜いた本塩沢の単衣着物です。こちらは柳悦孝さんや柚木沙弥郎さんに師事、国展にも入賞を重ねる荒川眞里子さんのオリジナルの図案を用いた作品で、ひと目見て思わずにっこりとしてしまうような愛らしいモチーフは「並び蝶」と銘されています。荒川さんは、力のある色遣いと大らかな意匠にほんのり品の良い甘さが香る素敵な作風の方ですが、今回ご紹介する着物も技法は異なれどそんな荒川さんらしい個性が光る、とても微笑ましい一枚ですね。強撚糸を緯糸に用い、経緯絣が高機で織りあげられた伝統的工芸品指定の本塩沢、そのシャリっとした独特の質感は、汗ばむ単衣時期にもさらさらと肌離れが良く、実に快適な着心地です。手に取るだけでもわくわくしてしまうような心弾む一枚、初夏の明るい光に映える素敵な装いをお楽しみくださいませ。