銀座【着物3831】宮古上布 濃藍色 蚊絣

銀座【着物3831】宮古上布 濃藍色 蚊絣

苧麻を育て、髪よりも細く糸を績み、絣を締めて琉球藍で染め上げ、乾燥に弱く切れやすい糸に心くばりながら精緻な絣を手機で織り上げる、そんな難儀な仕事のひとつひとつを長い時間をかけて積み重ねることで、ようやくかたちとなる夏衣の最高峰、宮古上布の着物です。ひんやりとした手触りの繊細な布は、儚さを感じさせるほどの薄さでありながら、僅かに身体から離れてふわりと風を通す絶妙な張りを備え、暑気を払うような清冽な存在感を見せてくれますね。今回のご紹介は独特の深い深い藍の地に、極小さな蚊絣を一面に敷き詰めたお品。かちりと組み合わされた星のような白い点が無数に並ぶ、絣の原点のようなシンプルな景色が、糸そのものの透明感や砧打ちによる繊細な光沢をより際立たせているように思います。制作数も激減している伝統的な紺上布、酷暑の中でこそ輝くその気品あふれる美しさを、ぜひこの機会にお確かめくださいませ。