銀座【着物3836】本郷織物工房製 信州紬(反端 証紙付)
銀座【着物3836】本郷織物工房製 信州紬(反端 証紙付)
印象としては色を薄めた利休白茶色が近いでしょうか。灰白色と利休白茶色の糸が織り成す淡いベージュ系の地に、緯糸には濃い藍色、経糸には濃い藍色と千歳緑で染め分けた糸が細かく格子状に織り込まれた紬です。こちらは長野県松本市の染織作家 本郷孝文さんの作品。柳悦博さんの薫陶を受けたこの方は、ひたすら着る人の身体に寄り添うしなやかな風合いを追究、力を掛けすぎぬようにゆっくりと手で引いた糸を用い、撚り掛けの回数や打ち込みの工夫によって、程良い張りと厚みを備えながらも驚くほど軽く、素晴らしい着心地の織物を製作なさっています。20種類もの技法を手掛けるこの方の作品は、光沢豊かな熨斗目から素朴な絣文まで実に様々ですが、こちらはわずかに浮かせた緯糸が小さく交差する様子が刺子のようにも見えるお品。近く眺めるほどに、労をいとわぬ誠実なお仕事に気付かされる本郷さんらしい温かな趣きの一枚です。どうぞお手元でご覧くださいませ。