
銀座【帯4732】城間栄順作 芭蕉布地 本紅型 名古屋帯「魚つなぎ」(落款入)
銀座【帯4732】城間栄順作 芭蕉布地 本紅型 名古屋帯「魚つなぎ」(落款入)
戦争で一時途絶えながらも、平良敏子さんを中心とする方々の尽力によって復興した沖縄の至宝 芭蕉布。糸芭蕉から繊維を取りだし、細く裂き、糸を績み…昔ながらの工程を守り、丹精込めてつくられる布は究極の夏織物として、その技術が国の重要無形文化財に指定されています。こちらはその稀少な布に見事な紅型染が施された名古屋帯。現代の本紅型を代表する作り手である城間栄順さんの作品です。やや彩度を上げた亜麻色が近いでしょうか。芭蕉の糸そのもののナチュラルなベージュを背景に、波にゆらめく海藻に重ねて魚たちが並べられています。仙斎茶の濃淡や朽葉色、黒橡色など落ち着いた彩りに卵色や鴇浅葱、葡萄茶などを小さく添えたシックな色遣いは本紅型の個性を守りつつも程良く抑えられており、どなたにもお使いになりやすいことと思います。作品集の解説によれば、海草の中で魚が群れて隠れている様子を発想の源に置いたデザインとのこと。朗らかで微笑ましい景色が、遠い南国の夏の輝きを感じさせてくれる逸品ですね。同じ風土に育まれた織りと染めがつくりだす圧倒的な存在感をどうぞお手に取ってお確かめくださいませ。