銀座【着物3864】国指定重要無形文化財 喜如嘉の芭蕉布

銀座【着物3864】国指定重要無形文化財 喜如嘉の芭蕉布

沖縄の風土が育てる極上の素材 芭蕉布は、王族から庶民までこの地に住む全てのひとの身を包む大切な衣として伝えられてきたもの。戦後一旦は生産が途絶えてしまった状況から、良く知られる通り平良敏子さんを中心とする方々の尽力によって見事な復興を遂げた、沖縄の宝ものですね。材料となる糸芭蕉の栽培に三年を費やし、二百本もの木から取り出した繊維を細く裂いては結んで糸をつくり、絣を括り…機にかけるまでにも長い長い時間と手間をかけ、その後乾燥に弱く切れやすい糸を手機で丹念に織り上げることでようやく布のかたちとなる芭蕉布。その技術は国の重要無形文化財に指定されています。今回のご紹介は鎖をモチーフとした絣柄の着物。色を薄めた路考茶色が近いでしょうか。ナチュラルな淡いベージュの地に黒茶と藍の絣による鎖を繋いだかのような端正なモチーフが、縞状に綺麗に並べられており、力強くもどこかモダンな趣きの絣がこの布の野趣ある美しさをより際立たせていますね。触れればひんやりと冷たく、独特のしっかりとした張りによって身体からふわりと離れ、熱を逃がし風を呼んでくれる至上の夏衣、どうぞお手元でその清々しい布味をお確かめ下さいませ。