
銀座【着物3868】宮古上布(反端付)
銀座【着物3868】宮古上布(反端付)
苧麻を育てて繊維を取りだし極細の糸を績み、乾燥に弱く切れやすい糸を丹念に織り上げる、、それぞれ大変な手間暇をかけた仕事を、ひとつひとつ長い時間をかけて積み重ねることでようやくかたちとなる宮古上布は、夏衣の最高峰として良く識られていますね。経緯手績みの苧麻糸のみで織り上げられた贅沢な布は、程良く身体から離れてふわりと風を通す絶妙な張りを備え、暑気を払うような清冽な存在感を見せてくれます。今回のご紹介は、深い藍地に極小の絣が並ぶ従来の宮古の作風から離れ、草木染めによる豊かな色を駆使した現代的な一枚。明度を落としたごく深い緑色の濃淡色に亜麻色や榛色、紅鳶色など様々な彩りを微塵の雨縞のように配した着物です。透明感のある苧麻糸にのせた豊かな色たちが幾重にも重なり溶け合って、ため息が出るような味わい深い世界が創り上げられた名品、残念ながら反端以外の詳細な情報がございませんが、扱いが難しく稀少な手績糸を用いて、ここまで完成度の高い草木染作品を手掛ける作り手さんはごく限られます。ぜひこの機会にお手に取って、その瑞々しく力強い美しさをお確かめ下さいませ。