銀座【着物3898】宮古上布 着物 濃藍色 菊花に向かい笹文

銀座【着物3898】宮古上布 着物 濃藍色 菊花に向かい笹文

苧麻を育て、極細の糸を績み、絣を締めて琉球藍で染め上げ、乾燥に弱く切れやすい糸を宥めながら精緻な絣を手機で織り上げる、そんな難儀な仕事をひとつひとつ長い時間をかけて積み重ねることでようやくかたちとなる夏衣の最高峰、宮古上布の着物です。ひんやりとした手触りの繊細な布は、心許ないほどの薄さでありながら、程良く身体から離れてふわりと風を通す絶妙な張りを備え、暑気を払うような清冽な存在感を見せてくれますね。こちらは深い深い藍の地に、小さな点のような蚊絣で向かい十枚笹や十二菊、菱などの古典的なモチーフを整然と並べたお品。複雑な装飾文とはまた趣きの異なるクラシックな意匠が、涼やかな透け感と共にほんのりと浮かび上がっています。端正でありながらも洗練に走り過ぎない、どこか大らかな表情が懐かしさを誘う一枚、ぜひお手に取ってご覧戴きたく思います。最近では段々と少なくなってきている伝統的な紺上布、酷暑の中でこそ輝くその気品あふれる美しさを、どうぞお確かめくださいませ。