銀座【着物3933】薩摩絣 生成色 菊花文
銀座【着物3933】薩摩絣 生成色 菊花文
生成色が近いでしょうか。やや灰黄みを帯びたオフホワイトの地に精緻な亀甲絣と蚊絣を敷き詰めて、大輪の菊花の姿を浮かび上がらせた薩摩絣の着物です。細い番手のエジプト木綿糸を用いて手機で丹念に織り上げられる薩摩絣は、木綿織物の最高峰として名高い布。滑りが悪く湿度でも狂いが出やすい木綿糸の難しさを、東郷織物の永江明夫さんが長年の研究の末に乗り越え完成させた織物で、木綿の認識を覆すような滑らかな風合いと気品豊かな表情で私たちを魅了します。きりりとした印象の正藍染の綿薩摩もすばらしいものですが、白薩摩には木綿らしい素朴な温かみがより際立つように思います。こちらも整然と絣が並ぶ景色の緊張感を、この穏やかな色から香るもの柔らかな趣きが程良く和らげていますね。これまで様々な薩摩絣をご紹介してまいりましたが、今回のお品は優雅な菊花の姿に清楚な華が光るとりわけ美しい一枚です。極上の質感と端正な絣に、贅沢に手を掛けられた織物ならではの風格が滲むお品を、ぜひお手に取ってご覧くださいませ。