銀座【着物4004】人間国宝 森口華弘作 訪問着(落款入)

銀座【着物4004】人間国宝 森口華弘作 訪問着(落款入)

練色が近いでしょうか。やや黄みを帯びたオフホワイトの地に、明度を落とした鳩羽鼠色に小さく梅鼠色を添えた繊細な蒔糊を置き、裾には椿のシルエットを、胸や肩袖には梅の花枝が配された訪問着です。高度な蒔糊の技術によって、着物全体のお色目は裾に向かってゆるやかに反転しており、その吹雪のような独特の景色が、金彩のみを添えた静かな椿と、淡黄色や柑子色、深い紅を効かせて力強い筆で描かれた華麗な梅花の対比を、見事に際立たせていますね。こちらは重要無形文化財「友禅」の保持者、森口華弘さんの作品。人間国宝として認められた究極の技術が、訪問着という晴れやかな形で存分に発揮された大作です。着席した状態では肩から胸にかけての華やいだ景色が、着る人の表情を明るく引き立て、立ち姿では着物そのものが力強い存在感を放つ緻密かつ迫力ある構成は、重厚な古典美のみならず大胆な現代性をも備えており、贅沢な社交着が居並ぶ場面でも一際目を惹く装いをお楽しみ頂けることと思います。ぜひお手に取ってご覧下さいませ。