銀座【着物4008】浦野理一作 経節紬 格子 着物

銀座【着物4008】浦野理一作 経節紬 格子 着物

やや色を薄めた利休白茶色の地に、経糸には濃藍色に暗い赤、浅縹、黄支子色、緯糸には濃藍色と土器色、暗い赤を用いた不規則な格子を置いた紬織りの着物です。こちらは浦野理一さんの作。日本各地に残る伝統的な技法への深い理解、そしてご自身の感性と妥協の無い手仕事から生まれたこの方の贅沢な織りや染めは、生産が終わって久しい今も色褪せぬ美しさで私たちを魅了しますね。とりわけ、丹念に手でつむいだ節立った糸を用い手機で織り上げる経節の紬は、ざんぐりとして素朴ながら実に豊かな味わいがあり、紬の原点とは何かを教えてくれるように思います。こちらのお品も、太さも間隔も様々に緯糸の色は所々途切れたりまた繋がったり、そんな変化に富んだ景色を、糸の力強い個性がより趣き豊かに引き立てています。日常に気軽にさらりとお召し頂ける親しみ易さを備えながらも、選び抜かれた糸と手間暇掛けた仕事から生まれる確かな風格が着る人を凛と引き立ててくれる名品ですね。昔ながらの上質な糸の不足から様々な織りが消えてゆく昨今、長く人に寄り添ってくれる確かなものは数少なくなる一方です。本物の紬と呼べる稀少な一枚を、ぜひこの機会にお選び下さいませ。