銀座【着物4057】伊那紬 灰黄緑色 格子文(反端 証紙付)

銀座【着物4057】伊那紬 灰黄緑色 格子文(反端 証紙付)

明度を落とした灰黄緑色が近いでしょうか、僅かに緑みを含んだ落ち着いたグレージュ系の地に、山葵色や柳鼠、淡紅藤や伽羅色など草木染による明るい淡彩を、横段や細やかな格子に配した伊那紬の着物です。細く走らせた黒の糸が程良く景色を引き締めるアクセントとなっていますね。いちいや矢車玉、山桜にりんごなどが染料として使われており、草木から得た控えめで優しい彩りが柔らかく調和する景色に心癒やされます。古くから養蚕が盛んに行われてきた信州地方は、現在も上田紬や飯田紬、そしてこちらの伊那紬など上質な紬織物の産地として知られています。草木による染めから生まれる穏やかな色を生かしたシンプルな縞や格子の手織り紬は、軽くしなやかな風合いと高い実用性で定評があり、国の伝統的工芸品にも指定されていますね。今回ご紹介する伊那紬は、ただ一軒の織り元として丁寧なお仕事を続けておられる久保田織染工業さんで制作されたもの。控えめで静かな彩りの景色にどなたも心癒やされることと思います。その土地に産する材を用い、昔ながらの手間暇惜しまぬ仕事が為された手織紬、春のお出かけにいかがでしょうか。