
銀座【着物4096】秋山眞和作 着物「ロートン織片縞」(色紙付)
銀座【着物4096】秋山眞和作 着物「ロートン織片縞」(色紙付)
清らかな水や豊かな植生など自然に恵まれた宮崎県綾町にて、綾の手紬染織工房を主宰なさる、秋山眞和さんの着物です。こちらは沖縄の染織に造詣の深い秋山さんならではの一枚「ロートン織片縞」。全体の印象としては、共にやや彩度を落とした紺青色と薄縹色の二色が近いでしょうか。反巾を大胆に二つに分けた地に、精緻な織りによる立体感のある浮織りが整然と並べられていますね。揺らぎのある彩りはスコープで覗いてみれば、ごく深い鉄紺から藍白まで数段階に染めわけられた糸を経糸緯糸に組み合わせることで創り出されたもの。光の中に出れば、透明感のあるいくつもの彩りを複雑に重ねた織りから生まれる光沢や陰影が、一層の輝きを放つことと思います。灰汁醗酵建てによる藍染め、貝紫や草木などの天然染料による贅沢な染め、小石丸の養蚕から始まる糸づくりなど、一切の妥協を許さないこの方の誠実なお仕事は、色柄のみならず、驚くほど軽やかな着心地にも映し出されています。織りの着物の範疇ではありますが、作家作品ならではの洗練された存在感は、帯次第ではカジュアルなパーティなどでも清々しく映えることと思います。極上の糸と染めから生まれた逸品、ぜひお手に取ってご覧くださいませ。