
銀座【帯5089】人間国宝 北村武資作 袋帯
銀座【帯5089】人間国宝 北村武資作 袋帯
長年西陣で古代の織物の研究を重ね、培った高度な技術を以て羅や経錦などの上代裂を今の時代に蘇らせたことで知られる、人間国宝 北村武資さんの袋帯です。こちらは正倉院裂として名高い「唐花獅子文」のモチーフを経錦の技法で織り上げたお品。色の印象としてはやや明度を落とした淡い若葉色が近いでしょうか。経糸には柳色、緯糸には撚金糸を通した清々しいグリーンを背景に、色を薄めた同系の濃淡色を用いて典雅な意匠が緻密な織りで表現されています。中央部分を金糸によって強調された唐花文は、縁部分もほっそりと金糸で縁取られ、ごく薄い金のベールに包まれているかのような繊細な煌めきが、端正な景色をより気品豊かに引き立てていますね。この方の作品は古典を礎としながら常にモダン。瑞々しい色による帯そのものの美しさはもちろんのこと、現代的な着物との相性の良さ、そして場面の和洋を問わぬ上品な存在感に抜きんでたものを感じます。作家作品やドレッシーな織り、極型の江戸小紋や色無地、訪問着など多彩な着物に合わせて、洗練を極めた装いをお楽しみ下さいませ。