銀座【着物4207】国指定重要無形文化財 喜如嘉の芭蕉布 着物

銀座【着物4207】国指定重要無形文化財 喜如嘉の芭蕉布 着物

薄ものが風に揺れる景色は日本の夏の風物詩。とりわけ苧麻や芭蕉など稀少な素材の布たちは、涼感あふれる夏織物の最高峰として多くの方の憧れを集めていますね。沖縄の風土が育てる極上の布 芭蕉布は、王族から庶民までこの地に住む全てのひとの身を守る大切な衣として守り継がれてきたもの。戦後一旦は生産が途絶えてしまった状況から、良く知られる通り平良敏子さんを中心とする方々の尽力によって見事な復興を遂げた、沖縄の宝ものですね。三年を費やして育てた糸芭蕉から取り出した繊維を細く裂いては結んで糸をつくり、絣を括り…機にかけるまでにも長い長い時間と手間をかけ、その後乾燥に弱く切れやすい糸を丹念に手機で織り上げることでようやく布のかたちとなる芭蕉布、その技術は国の重要無形文化財に指定されています。今回のご紹介は棒形のアイスバーに由来するというケーキ柄の着物。ナチュラルな淡いベージュの地に楽しい棒アイスのかたちが、車輪梅の茶と琉球藍の絣による端正なモチーフとなって綺麗に整列しています。素朴ながらどこかモダンな絣が、この布の野趣ある美しさを力強く引き立てるお品。触れればひんやりと冷たく、独特のしっかりとした張りによって身体からふわりと離れ、熱を逃がし風を呼んでくれる清々しい布が、昨今の過酷な夏をも楽しみへと変えてくれそうです。