銀座【着物4230】伊兵衛織 単衣 着物(畳紙付)

銀座【着物4230】伊兵衛織 単衣 着物(畳紙付)

一般的な紬織用の糸の4倍程の太さに撚り合わせた極太の玉糸を、丁寧に染めて手機で織り上げる伊兵衛織は、ふっくらどっしりとした風合いが持ち味の工芸色豊かな織物です。極上の糸と選び抜かれた色によるモダンな景色が伊兵衛織の魅力。袷の時期にも単衣仕立てで充分に暖かくお召し頂ける、頼り甲斐のある着物ですね。今回のご紹介は色を深めた藁色が近いでしょうか。ややくすんだ黄みのベージュ系の地にそれぞれ2本と3本の黒糸を用いた細縞を交互に配し、経絣風に不規則な変化を持たせることで、途切れそうになりながらも繋がってゆく縞が表現されています。一見シンプルながら微かな揺らぎを感じさせる繊細な景色が美しく、伊兵衛織らしい洗練を感じますね。どのような帯の個性も受け止めてくれる、力強くも懐深い布。惜しまれつつも閉じられた工房が遺した名品を、どうぞ長く大切にお召し下さいませ。