銀座【着物4276】人間国宝 小宮康正作 江戸小紋 訪問着(落款入)

銀座【着物4276】人間国宝 小宮康正作 江戸小紋 訪問着(落款入)

紺鼠色が近いでしょうか。暗い灰みのブルー地に、蒔糊散らしをデフォルメしたかのような大小の不規則なかたちを配し、鮫小紋柄が重ねられた江戸小紋の訪問着です。こちらは江戸小紋の世界で多大な功績を遺された小宮康助さん、康孝さんに続いて同じく国の重要無形文化財保持者としてその仕事を守り伝える小宮康正さんの作品。2色の小さな欠片が吹雪のように舞い、裾へと向かって降り積もるかのように密度を増してゆく幻想的な世界が、熟練の技術によって見事に写し取られています。こちらの手法を用いた小宮家の作品は、薄いベールをかけたような独特の景色がとても印象的。モチーフに鮫の極細かな珠をのせることで点描のように色柄が溶け合い、えも言われぬ柔らかな表情が生まれていますね。落ち着いたシックなお色目や奥行きを感じさせる静かな景色に、小宮さんの円熟の技が冴える清々しい優品。友禅の華とはまた趣きの異なる、凛として端正な美しさをお楽しみ下さいませ。