銀座【着物4294】日本工芸会正会員 由水煌人作 本加賀友禅 繍一ッ紋 訪問着(落款入)

銀座【着物4294】日本工芸会正会員 由水煌人作 本加賀友禅 繍一ッ紋 訪問着(落款入)

やや色を薄めた鈍色が近いでしょうか。茶みを含んだ暗いグレイ系を背景に、繊細な山葡萄のモチーフが描かれた繍一ッ紋の訪問着です。山間の地でひっそりと自生する葡萄の姿を表現したお品、その驚くほど正確で緻密な筆の運びをご覧いただけますでしょうか。するりと伸びる蔓や葉の美しいラインは、幅と長さを均一に保った横線の重なりによって丹念に創り上げられており、絶妙な筆の揺らぎによって竹屋町繍いかと見まごうような立体的な陰影が生まれていますね。一歩引いた柄置きながら、小さく添えられたヴィヴィッドな牡丹色やターコイズグリーンが運ぶ、はっとするような華やぎがとても新鮮です。こちらは日本工芸会正会員として、また本加賀友禅を代表する作り手として活躍なさる由水煌人さんの作品。初代由水十久さんのご長男として生まれながら、童の意匠で一世を風靡したお父様の作風からは離れ、ご自身の確たる世界を切り拓いておいでです。加賀友禅らしい写実的な表現を踏まえた上でのモダンなアレンジに高度な技量が光る、著名作家作品ならではの存在感ある一点。控えめで静かな景色は、訪問着としての高い品格を備えながらも、ちょっとしたお食事の会やお茶の席、観劇などより着用の機会も幅広く、さまざまな場面で気品香る洗練された着こなしをお楽しみ頂けることと思います。ぜひお手に取ってご覧くださいませ。