銀座【着物4329】郡上紬 唐茶色 横段暈し
銀座【着物4329】郡上紬 唐茶色 横段暈し
経糸は玉繭から引いた節のある玉糸を、緯糸には春繭の本真綿から手でつむいだ糸を用い、草木で丹念に染め、高機でしっかりと織り上げられる郡上紬の着物です。この紬は結城と比肩されるほどの優しい暖かさを備えており、厳寒期にも着る人をしっかりと護ってくれる、頼り甲斐のあるお品。今回のご紹介は唐茶色が近いでしょうか。暗い黄赤みの茶を基調に海松色や蒲色、鈍い黒など木の幹や土の色のようなどっしりとした力を感じさせる彩りを、刷毛ではいたような不規則な横段暈かしに置いた一枚です。選び抜かれた上質な糸を用い、全ての工程で丁寧に心配られた仕事が創る極上の布は、一見素朴ながらやはりすっと目を惹く確かな存在感を備えており、作家作品など個性の強い帯などもしっかりと受け止めてくれますね。人間国宝 宗廣力三さんが、大変な苦労を重ねて育て上げた贅沢な紬。着る方や年齢を選ばず、長くご愛用頂けることと思います。ぜひこの機会にお手に取ってご覧くださいませ。