銀座【着物4372】与那国花織 着物

銀座【着物4372】与那国花織 着物

豊富な材と優れた技術を有していた沖縄では、古くからそれぞれの地で特有の染織が発展してきました。日本最西端の島として知られる与那国島でもまた、独自の織物が織り継がれています。こちらはその与那国島の花織の着物。薄香色と丁子色が近いでしょうか。温かみのある淡いベージュ系の濃淡色の格子を背景に、緋色や黄水仙色、千歳茶色を細やかに組み合わせて、小さく緯糸を浮かせた伝統的な花文を配した繊細なモチーフが整然と並べられています。優しい彩りがほんのりと浮かぶ緻密な織りの景色は、僅かな乱れもなく端正に整えられており、琉球王府への貢納布の織り手として磨かれた美意識や矜恃が今も変わらず脈々と息づいていることを感じますね。首里花織と同様に両面浮花織ですので裏に糸が渡らず、程良い張りのある軽やかな風合いは、いずれ単衣でお召しになられても着心地良くお楽しみ頂けそうです。草木による透明感のある色や気品香る織り味が、清々しくモダンな存在感を見せてくれるお品、季節の染め帯を合わせて、春を誘う朗らかな装いをお楽しみくださいませ。