銀座【帯5465】西陣 齋藤織物製 袋帯(畳紙付)

銀座【帯5465】西陣 齋藤織物製 袋帯(畳紙付)

経糸には素色、緯糸には蘇芳色の紬糸と金の平箔糸を用いて、緩やかな立涌に牡丹唐草文が表現された袋帯です。全体の色の印象は枯れた海老茶色が近いでしょうか。経緯二色が溶け合う背景は紬糸が作る節やふっくらとした風合いが実に味わい深く、所々に蘇芳色を重ねた平箔の金糸が織りなす高雅な意匠には、本来は染めの技法である摺箔の鈍い光沢感や、経年による擦れや古びた味わいを含めた摺箔の質感が、織りによって見事に再現されていますね。京の老舗呉服店・ぎをん齋藤さんが扱う織りの帯は、自社の工房である齋藤織物さんにて製織されています。最高級の糸を用いて手機で丹念に織り上げられる品々はどれも、ご当主のものづくりへの姿勢がはっきりと表れたものばかり。稀少な江州だるま糸を用いた唐織然り、革に貼った箔糸を用いる遼代裂然り、贅沢な素材や特殊な技法が惜しみなく使われた個性豊かな逸品が揃えられていますね。今回ご紹介するお品も齋藤さんらしい選りすぐりの美しい糸によって陰影豊かな世界が織り成された優品。重厚な存在感を備えながらも独特の軽やかな洒落みが光る景色が、ドレッシーな織りの着物から格高の小紋、軽めの訪問着などの装いに高度な洗練を運んでくれることと思います。