銀座【着物4417】東郷織物製 薩摩絣 素色 大市松(反端 証紙付)

銀座【着物4417】東郷織物製 薩摩絣 素色 大市松(反端 証紙付)

素色が近いでしょうか。灰黄みを帯びたオフホワイトの地に極細かな亀甲絣によって、やや縦長の大市松文がすっきりと表現された薩摩絣の着物です。細い番手のエジプト木綿糸を用いて手機で丹念に織り上げられる薩摩絣は、木綿織物の最高峰として名高い布。滑りが悪く湿度でも狂いが出やすい木綿糸の難しさを、東郷織物の永江明夫さんが長年の研究の末に乗り越え完成させた織物です。木綿の認識を覆すような滑らかな風合い、そして精緻な絣から生まれる気品豊かな表情に、多くの方が魅了されていますね。きりりとした印象の正藍染の綿薩摩もすばらしいものですが、白薩摩には木綿らしい素朴な温かみがより際立っているように思います。こちらも整然と絣が並ぶ景色の緊張感を、この穏やかな色から香るもの柔らかな趣きが程良く和らげていますね。極上の質感と端正な絣に、贅沢に手を掛けられた織物ならではの風格が滲むお品、ぜひお手に取ってご覧くださいませ。

(撮影場所:世田谷美術館)