
銀座【帯5535】人間国宝 鎌倉芳太郎作 塩瀬地 染名古屋帯(落款入)
銀座【帯5535】人間国宝 鎌倉芳太郎作 塩瀬地 染名古屋帯(落款入)
琉球紅型など沖縄の文化芸術の研究者として、また 「型絵染」の国の重要無形文化財技術保持者として多大な功績を遺された、鎌倉芳太郎さんの作品です。こちらは支子色が近いでしょうか。僅かに赤みを帯びた柔らかな黄色の塩瀬地に力強い花蝶や鳥の姿が表現された名古屋帯。2012年にサントリー美術館で開催された大規模な紅型展の図録に掲載されている19世紀の古紅型「牡丹蝶鳥模様」の写しと思われ、長年古紅型を調査研究なさってきたこの方ならではの、良き時代の美しい紅型のエッセンスを凝縮したかのような優品ですね。このような牡丹の表現は古紅型には珍しいとのことで、古く起源として通ずる東南アジアの更紗の影響を感じさせる印象的な作品。ひとつひとつのモチーフの突き抜けて朗らかな表情、生命力に満ちた姿はほのぼのとして温かく、落ち着いた色遣いや上品な甘さが優しく心を満たしてくれますね。作り手のフィルターを通すことで、紅型そのものの個性は程良く和らげられており、お使いになる方や年齢を問わず、どなたにもすっと親しんでいただけることと思います。紬や小紋などに合わせて、春のお出かけにいかがでしょうか。