銀座【帯5759】浦野理一作 縮緬地染名古屋帯 蓮の図

銀座【帯5759】浦野理一作 縮緬地染名古屋帯 蓮の図

微かに紫みを帯びた灰色の縮緬地に、大輪の蓮の花がゆったりと描かれた染めの名古屋帯です。利休鼠色や黒紫色、ごく深い鉄色に金彩を添えたシックな色遣いが気品豊かな花の姿を静かに彩るお品。こちらは日本各地の紬織から紅型や藍染め、そして手描友禅等々幅広い技法への理解をもとに、極上の素材と丹念な手仕事による贅沢な着物や帯を遺された染織家・浦野理一さんの作。この方の手描友禅のお品は小袖を思わせる華麗な訪問着に代表されますが、その重厚な存在感がそのまま帯へと引き継がれていることを感じますね。こちらの帯に関しましては、浦野さんはご自身のお言葉にて「蓮の花はこの世で最も美しいとされたが故に、仏さまを讃仰するために用いられた。むしろ吉祥模様とさえ考えられる。法事の席だけでなく日常にもお召しいただきたい」と残されています。繊細な金彩は控えめながらしぼのある縮緬の陰影と共に柔らかく煌めき、染め帯ながら少し改まった装いにも通用する高い品格を感じさせる優品。浦野さんのお言葉の通り、場面に応じて上質な無地紬から格高小紋、色無地や付下げなどの装いに合わせて、この花の幽幻な世界をお楽しみ下さいませ。