【帯5784】鈴木紀絵作 紬地 染名古屋带
【帯5784】鈴木紀絵作 紬地 染名古屋带
代赭色が近いでしょうか。黄赤みがかったくすんだ薄茶系の紬地に、花葉の影に佇む小さな鳥の姿が表現された染名古屋帯です。こちらは長く国展にて心弾む作品を披露して下さった染色作家・鈴木紀絵さんの作品。絞りや型絵染め、手挿しなど様々な技術を自由に取り込み、細やかに使い分けて、動植物が遊ぶのどかな世界を創り出していらっしゃいましたね。こちらもそんな鈴木さんらしいほのぼのとした作風の一点。ナンキンハゼのような菱形の葉は、一部が紅葉しているかのような趣きで、所々に小さく置かれた花たちもどこか控えめな表情。特に季節を主張する景色ではございませんが、やや抑えめの静かな色柄にどこか秋へと向かう風情が感じられる、落ち着いた印象のお品です。童心をいつまでも失わない鈴木さんの、軽やかな筆から生まれた世界には、どんな物語が隠されているのでしょうか。紬や小紋などに合わせて、作り手の温かな個性が光る上質なカジュアルスタイルをお楽しみくださいませ。




