銀座【着物4627】藤山千春作 吉野間道 着物（反端 証紙付）
銀座【着物4627】藤山千春作 吉野間道 着物（反端 証紙付）
老緑色と水縹色が近いでしょうか。灰みがかった渋めのグリーンとブルーの縞に仄かなグラデーションの横段を置き、薄香色、黒緑色そして憲法色をのせた吉野織を経緯に重ねた着物です。こちらは草木染めによる繊細な彩りを自在に操り、名物裂に由来する格調高い吉野間道を、よりモダンで洗練されたかたちへと昇華させた藤山千春さんの作品。これまでも端正な吉野織と共に様々な彩りが横段暈かしのように配された魅力的な帯たちをご紹介してまいりましたが、今回お目にかけますのは経緯吉野による贅沢な着物。帯でもお馴染みの繊細な淡彩の移ろい、そして立体感のある畝織による上質な絹糸の見事な光沢が柔らかく全身を包む、ため息が出るような美しい一枚です。静かに輝く畝織りの格子がすっきりと引き締める、爽やかな淡彩の景色は、高度な計算が尽くされた藤山さんならではの世界。裾模様の訪問着は見かけたことがございますが、着物全体に経緯吉野が配されたお品は大変希少と思います。遠くからも目を惹く重厚な表情は、染めの着物とはまた異なる格調と存在感を備え、改まった場面や華やかな集まりなどにも活躍してくれそうですね。ぜひこの機会にお手に取ってご覧くださいませ。