銀座【着物4632】人間国宝 小宮康正作 江戸小紋(落款入 反端付)
銀座【着物4632】人間国宝 小宮康正作 江戸小紋(落款入 反端付)
代謝色が近いでしょうか。黄赤みを含んだくすんだ薄茶系で、様々な小紋柄を詰めた「もみじ」が散らされた着物です。こちらは江戸小紋の世界で多大な功績を遺された小宮康助さん、康孝さんに続いて同じく国の重要無形文化財保持者としてその仕事を守り伝える小宮康正さんが、青塚実さんの型を用いて染め上げた作品。優雅な紅葉のかたちに、行儀や大小霰などの定め柄から、洒落みが光る源氏香やふくら雀、笹、秋草に花籠などなど、驚くほど多彩なモチーフが配されています。一つ一つの葉に詰められたモチーフは、精緻な柄で知られる江戸小紋としてもとりわけ細やか。究極の技術による、目を凝らしても追えないほどの微細な珠がかたどる型が、熟練の染め技によって見事に写し取られています。上質な江戸小紋は、手に取って眺めるだけですっと背筋が伸びるような独特の緊張感を備えていますが、こちらは小宮さんの研ぎ澄まされた技が尽くされたお品ながら、少し大ぶりの紅葉と地空きの部分が程良く印象を和らげており、とても品の良い女性らしさ、軽やかさが生まれていますね。とりわけこれからの季節には美しく映える「もみじ」柄ですが、合わせる帯や小物次第では春の青楓を思わせる着こなしもお楽しみいただけそうです。街着から改まったお席まで、幅広い場面でお楽しみ頂ける一枚、ぜひこの機会にお手に取ってご覧くださいませ。




