【着物4646】人間国宝 芹澤銈介作 着物「小川紙漉村文」

【着物4646】人間国宝 芹澤銈介作 着物「小川紙漉村文」

「型絵染」の重要無形文化財保持者・芹沢銈介さんの着物「小川紙漉村文」です。柳宗悦さんに大きな影響を受け、染色家として用の美を追究し続けた芹沢さんですが、紅型を慕い紅型を追って今日まできた、と自ら語っておられるように、その基盤は琉球の伝統的染色技術である紅型。鮮やかな色彩を自在に操り、卓越した意匠力をもって様々な分野で独創的な作品を制作なさいました。こちらは柔らかな鳥の子色の縮緬地に様々な彩りと共に、のどかな山里の風景が表現された着物。文化遺産オンラインのデータベースによれば、この作品に描かれた「紙漉村」とは和紙の産地として知られる埼玉県小川町であり、1935年に図案指導のために訪れた現地の風景をモチーフにしたものとのこと。鳥が飛び交い、樹木が息付き、青々とした小川が流れる牧歌的な村の様子が、繊細な型と深みのある色遣いによって丁寧に描き出されていますね。ご紹介が年々難しくなっている芹沢さんの稀少な作品、この機会にぜひお手に取ってご覧くださいませ。