銀座【帯5869】洛風林製 袋帯

銀座【帯5869】洛風林製 袋帯

岩井茶色が近いでしょうか。地糸に絡めた細い金の平箔糸が所々浮かび上がる、茶みがかった暗い黄緑系の地に、象牙色や灰茶色、墨色の糸と鈍く輝く燃金糸など様々な糸を細やかに使い分けて、優雅な臥蝶華文を浮かべた袋帯です。有職文様としてよく知られる臥蝶文は端正な丸文の形に整えられていますが、こちらは緩やかな四角形にアレンジされたもの。底光りしているようなマットな光沢、陶器を思わせる独特の質感とも相俟って、有職文の格調はそのままに実にモダンな存在感が生まれていますね。こちらは古今東西を問わぬ膨大なデザインの蓄積から生まれる多様な意匠を、西陣の老舗機屋の手で製織する洛風林さんの作。軽くしなやかでありながらしゃり感のある風合いは「飛天錦」と名付けられた洛風林さん独自の組織で、金糸や箔を巻き付けた経糸に濡緯 (一晩水につけ込んだ緯糸) が織り込まれているそうです。金糸を用いたエレガントな意匠と、其処此処に小さな節が顔を覗かせる紬糸の表情、組み合わせの難しい要素がすんなりと溶け合う気品豊かな景色に、洛風林さんならではの手腕を感じますね。上質な無地紬やドレッシーな織りの着物から、改まったお席のための装いまで、様々な着物に合わせて、洗練が光る装いをお楽しみいただけることと思います。わずかに透け感を備えたやや薄手の地風のお品ですので、単衣時期から袷時期を通して、気温や体感に合わせてお使いくださいませ。