越後の産地を訪ねて(その1) — 丹精をこらした逸品 vol.9

さる3月某日、銀座きもの青木 スタッフ数名で、塩沢や十日町の産地を巡ってまいりました。

越後といえば皆さまご存知の通り「越後上布の雪晒し」。早春の頃の風物詩となるくらいに有名ですね。今年はきもの青木でも何枚かの上布のお手入れをお願いしていることもあり、ちょうど良い機会と見学をさせていただくことになりました。

季節外れの荒天がようやく落ち着いた日を狙って、朝7時過ぎの上越新幹線に乗り込み東京を出発しました。

越後湯沢でほくほく線という可愛い2両編成の列車に乗り換えて、いざ十日町へと向かいます。

「雪国」の冒頭のごとく、谷川連峰をくぐる長いトンネルを抜けた先は一面の雪景色

十日町駅にて、今日一日お世話になる「やまだ織」代表取締役 保坂勉さんと合流、地層のように幾重にも積み重なっている道路脇の積雪を眺めながら、まずは雪晒しの現場に。

すでに30枚ほどの美しい上布の反物たちが、真っ白な雪の上に並べられていました。

里帰りの越後上布だけでなく沖縄の八重山上布や宮古上布も何枚も含まれており、随分と古いものもあるようでしたが、皆きらきらと輝く雪と同じほどの白さを取り戻しています。

きもの青木からお願いしたお品には、反端に小さく「青木」と記載されています。

試しにと勧められて、二人で両端を持って持ち上げれば、たっぷりと水分を含んだ反物のずっしりとした重みが伝わってきます。

湿度の高い澄み切った空気や雪の冷たさ、春めいてきた光の柔らかさに、日頃眠っていた五感が目覚めてくるよう。以前より画像では何度も見たはずですが、実際にその場に立ってみれば、初めて出会った景色のように新鮮です。

次に今回最初の訪問先である、シルクワークさんの工場内へ。

長く染織品の一大産地である十日町で「仕上げ」や「整理」と呼ばれる工程を引き受けていらっしゃるシルクワークさん。こちらでは絹ものの様々な作業工程を説明いただきました。

十日町は早くから工業化が進み、効率の良い仕事がなされていたそうですが、様々な大きな機械が動き、潤沢な水が流れる中、白生地の精錬から糸染め、湯のしや友禅流しなど多岐に亘る作業が黙々と行われていました。

絹もののお手入れにつきましては、地域毎の特性はさほど大きくないのではと想像しますが、麻については雪晒しを含め、古来から麻を知り尽くした産地ならではの知見があるのではとお話を伺いました。

説明してくださったのは、株式会社シルクワークの代表取締役を務める蕪木義男さん。

この書に学びました、とバラバラになるほどに読み込まれた3冊の分厚い長津勝治さんの著作をバイブルとして、80歳を超えるご年齢の現在に至るまでたゆみない努力を続けられ、染色関連の知識を積み上げていらっしゃいます。

株式会社シルクワーク代表 蕪木義男さん

こちらのお着物は、お手入れで真っ白に生き返った千葉あやのさんの作品です。

気候がどんどんと変化してゆく現代。例えば昨年は雪不足のため、雪晒しに必要な条件が揃わなかったとのこと。また後継者の問題もあり、今後はどのようなかたちでの対処が考えられているのかを、お尋ねしたいと思いました。

かつてのように雪晒しを専門になさる方がいらっしゃらなくなりましたが、重要無形文化財の指定要件として「雪晒し」が入っている以上は、この工程が消えてしまうことは考えられません。文化財の越後上布を生産していらっしゃる幾つかの工房でこの技術を維持なさっていることと思いますが、規模として縮小している現状、リユースの着物を扱っている私たちにとっては、今後の上布のお手入れはどうなっていくのか、という心配がありました

そんな折に入ってきた情報が、長く「上布のお手入れ」の研究をなさっている蕪木さんのことでした。

古来より麻の産地として栄えた地として、蓄積された知識、研究された科学的な資料を元に長年の試行錯誤の末、麻に最適な方法を編み出されたとのこと。3日間、弱アルカリ性の溶液に布を漬け込むことで自然に不純物が溶け出すのを待ち、最終的な仕上げとして短時間の雪晒しを行なうことで大きな成果を挙げていらっしゃいます。

よく晴れた午前中に雪に晒し、午後には取り込んで水洗いするという作業を一週間繰り返す従来の雪晒しのように、積雪量や天候に大きく左右されないこと、また全体を溶液に浸す方法ですので、絹ものの生き洗いと同様、反物のかたちに戻さなくてもお手入れが可能ということも、ユーザーとしてはうれしい利点ですね。

シルクワークさんでは、呉服屋さんや業者さんを通さず、一般の方からの直接の依頼にも対応くださるそうです。

越後上布に限らず、八重山上布や宮古上布など各産地の上布も集まってきていましたので、お手持ちの麻のお着物のお手入れにお悩みの方は、どうぞご連絡してみてくださいませ。

染織の一大産地である十日町で長くお仕事をなさっていらした会社です。麻に限らず、絹物の困りごとなどもご相談なさってみてはいかがでしょうか。

※ご連絡先は下記の通りです。

株式会社 シルクワーク

〒948-0046
新潟県十日町市明石町8番地
電話:025-757-1135

夏衣としてはこの上ない特性を備えた贅沢な着物…薄く繊細な表情ですが、本来麻は堅牢で水と親しい素材ですので、簡単なお手入れはお家でなさる方が多いかとは存じますが、シーズン後の洗いや黄ばみなど、いざという時に頼れる場所がありますと、より安心してお召しいただけますね。暑さ厳しい日本の夏、ぜひ上布を活躍させてくださいませ。

旅の続きは、次回に…

※2025年5月発行
※当サイト内の文章、画像等の内容の無断転載、及び複製等の行為は固くお断りいたします。

お茶ときもの、あれこれvol.6 ― 先取り単衣で軽やかに、爽やかに

日が変わり、月は巡り、お茶の世界にもまた新しい季節がやってまいりました。

春を迎え、天井から釣った釜が風にかすかに揺れる様を楽しむ3月。
その釣釜(つりがま)も4月に入ると透木釜(すきぎがま)に取って替わられます。日に日に暖かさが増すため、炉の火が次第に鬱陶しく感じられるこの時期。そのため透木を用いて羽のついた平釜を炉縁に掛け、炉中の火が見えないように覆います。少しでも客を火から遠ざけようとする心遣いなのです。

そして4月の末には炉塞(ろふさぎ)が行われます。
炉開き以降、冬の間使っていた炉を炉蓋や畳を入れて塞ぎます。かつては陰暦3月の晦日に行う慣わしでした。炉の風情を惜しむ心から、名残と称して茶会が催される事も。そして再び風炉の出番がやってきます。

その5月初めに迎えるのが初風炉(しょぶろ)。
まさに新茶の季節である八十八夜に当たります。炉の時期とは道具や趣も変わり、今度は火や蒸気の熱を抑えて快くお茶が戴けるよう工夫がなされます。風炉にかける釜は小ぶりになり、茶碗も浅めに。花入れには涼やかな籠も用いられ、香合は陶磁器に替わって木製や漆器へ。

若葉が生い茂る、清々しい新緑の季節。夏へと向かうお茶はこうしてしつらえも改められ、また新たな営みが始まります。

暖かさから暑さへと向かうこの時期、更衣の方も気になりますね。
それではお着物の準備を始めましょう。

昨今の単衣事情

3月下旬ですでに25度を超える夏日もある昨今、袷を着ようか、単衣にしようかと迷うことが多くなりました。周知の通り、近年の気候変動の影響で単衣の着用が早まり、お茶の世界でも5~6月、また9~10月の単衣着用は新常識となりつつあります。

火の前での対応や水屋での作業も多いお茶の現場では、無理なく快く動ける装いを取り入れたいもの。とはいえ柄や透け感など、暦に準じる装いのルールは存在しますので、臨機応変かつ柔軟に対処したいものです。

色無地、江戸小紋

シンプルにして端正な色無地はお茶会だけでなく、他のシーンにも対応できる着回しの良い必携の一枚。紋を付けると準礼装となりますので、改まったお席や式典などに重宝です。

また江戸小紋はお稽古や大寄せのお茶会などに便利なお着物。フォーマル度の高い三役、五役はもちろん、場面に応じていわれ柄や幾何文などを身に付けるのもお洒落ですね。

小紋、付下げ

お茶席のみならず、柄のある単衣着物は季節感が大切。袷の時期に単衣を着る場合は季節を問わない古典文様や四季花、抽象文などが便利です。また春と秋の柄が共に描かれた春秋柄などは、どちらの更衣シーズンにも役立つ守備範囲の広いお着物と言えましょう。

合わせる帯

合わせる帯も暦に準じ、袷用から単衣用へ、透けないものから夏帯へと変えていきましょう。
最近よく見かける軽めのスリーシーズン帯も着用時期が長く便利です。柄も着物同様、季節を問わない古典文様や抽象文などが重宝しますが、その時期ならではの柄を身に付けるのも素敵です。

気をつけたい事、留意点

更衣の前後は着物まわりにも気を配りたいですね。 半衿も時節に合わせて袷用から単衣~夏用へ、また襦袢は体感温度に従って絽、紗、麻など通気の良いものに変えて行きましょう。汗をかきやすいこの季節は、洗える襦袢もとても便利です。

そして着物の透け感に留意しましょう。お茶席では立ち座りが頻繁ですので、腰付近や裾が気になります。ヒップラインが透けないように居敷当てを付けておくのがおすすめです。

お茶は時節の営みをを重んじ、何よりも周囲との調和を大切にする場。
装いは道具やしつらえと同じく、その調和を体現するものですので、単衣を先取りする今日でも、その季節感とのバランスを保ちながら着衣を決めて行きたいものですね。

この春から夏への過渡期も、どうぞご自身の心地よい装いを見つけにいらしてくださいませ。

きもの青木がお手伝いさせていただきます。


※2025年4月発行
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お茶ときもの、あれこれvol.5 ― 心も装いも新たに お茶の新シーズン到来です

気温の高かった時期を経て、ようやく空気の冷たさを感じる季節がやってまいりました。いよいよお茶の新シーズン到来です。

まず迎えるのは「茶人のお正月」ともいうべき炉開き。それまで閉じていた炉を開き、初夏に摘まれた新茶の封を切り、熟成されたお茶を頂きます。そうしてまた新年を迎えられた事に感謝し、一年が始まるのですね。

その後も季節の行事に付随してお茶の催しは盛り沢山。年末はクリスマスや歳暮のお茶会など、明けて新年は初釜や点初めなど、華やかなお集まりが多くなります。新たな気持ちで臨むお稽古やお茶会、お茶友や先生との交流もいっそう心が弾みますね。

そんな多忙な時期を前に、皆さまの装いのご準備はいかがでしょう。

お茶会だけでなく、他のシーンでも着回しのきくお着物をお探しの方にはまずベーシックな色無地がおすすめです。シンプルにして端正、帯合わせ次第で雰囲気を変えてくれる色無地は必携の一枚。紋をつけると準礼装になりますので、改まったお席や式典などに重宝です。

また江戸小紋はお稽古や大寄せのお茶会などに便利なお着物。細かい柄が遠目からは無地に見え、こちらも凛とした雰囲気が魅力です。格高の織名古屋帯や金銀糸の控えめな袋帯を合わせるとフォーマル度の高い装いとなります。

箔屋清兵衛(はくやせいべい)はお茶席向きの帯づくりで知られる西陣の織元、陰山織物の人気ブランド。
光沢を抑えた箔糸を用い、深みのある彩りで名物裂や正倉院文、吉祥文などの格調高い文様を織り出した風格のあるお品です。軽くてしなやかで締めやすいのが特徴で、購入しやすいお値段枠なのも嬉しいですね。

お茶席はもちろん、訪問着や付下げ、色無地から江戸小紋に合わせて式典や改まったお出かけなど様々なシーンに対応できる重宝な一本です。

お茶席の装いはその茶会の格にあったものを選ぶのが基本ですので、袋帯に限らず、名古屋帯も大いに活用できます。
有職織物の浮き織りから発展し、能装束にも使われてきた格調高い唐織、金銀箔を用いた重厚感のある名古屋帯などはお茶席向きです。
またお稽古やカジュアルなお茶会では、絵柄が豊富な染め名古屋帯なども活躍してくれそうですね。

袋帯も茶会の格に合わせ、その会趣にあったものを選びたいものですね。
初釜や家元主催の茶会では、有職文や古典文様の重厚で質感のある唐織や錦織のものを。時節にちなんだ吉祥文やおめでたい柄なども晴れやかで良いでしょう。
また記念茶会や月釜ではあまり格式張らず、金銀糸も控えめなものを。
一方、カジュアルなお茶会では趣味性の高いテーマ柄や季節柄の洒落袋などを合わせるのも楽しそうです。

初釜には新春の晴れがましさを感じさせる華やかな付下げや訪問着を。帯は金銀糸を用いた重厚な袋帯を合わせて。お茶会の格や周囲との調和も大切ですので、お茶席との相性を考慮してコーデを選ぶのも大切です。

装いにつきましては以前のコラム(名残の茶から口切りへ)でも書き留めておりますので、そちらも併せてご覧くださいませ。

そして新年には新しいものを身につけるのが縁起が良いと言われています。気分を改め、新しい気持ちでスタートを切るという意味でも、今年は着物まわりの小物たちをアップデートしてみてはいかがでしょう。

装いの重要ポイントとなる帯揚げや帯締め、機能性と装飾性を兼ね備えたバッグなど、新調したい小物たちの魅力について触れてみたいと思います。

帯締め・帯揚げ

帯揚げは胸元を飾り、着物と帯との境目にアクセントをもたらす重要なパーツ。帯締めは最も目が留まりやすい身体の中心にあり、こちらも着姿を完成させる重要なポイントとなります。 同じ着物と帯のコーデでも小物を替えるとかなり雰囲気が変わるので、着物と帯との色・柄のマッチングやバランスを工夫してみましょう。

帯揚げ

お茶席の場合、初釜や点初めなどには淡いお色や白系、金銀糸使いの華やかなものを。また多色使いでも雰囲気の柔らかいもの、スタンダードな柄付けのものが好まれるようです。

帯締め

お茶席の場合は帯の質感やボリュームに負けず、金銀糸を効果的に用いたもの、巧みに組まれた質感のあるものなどが着姿全体を引き締めてくれます。
色は着物や帯の色彩の中から一色、同系の色を選ぶとまとまりやすいでしょう。一方、対照的な色や多色遣いはガラリと雰囲気が変わりますので、いろいろ試してみるのも楽しいですね。

数寄屋袋・利休バッグ

数寄屋袋は帛紗や扇子、懐紙や黒文字などお茶席に必要な小物を収める携帯用の小物入れ。利休バッグはお茶会やお稽古にマッチする和装バッグで、式典やお出かけにもお使い頂けます。どちらも着姿を引き立てる脇役としてひとつは持ちたいお品です。

数寄屋袋

上質な帯地から仕立てた数寄屋袋。すっきりとしたデザインと確かな織の質感が品格を感じさせます。
唐織の有職文、宝尽くし、花唐草文などのお柄がございます。

利休バッグ

普通利休バッグは茶室には持ち込みませんが、持ち込む事になった場合、茶室の壁や畳の状態に配慮して布製のものががふさわしいと思われます。数寄屋袋と同様、上質な帯地から仕立てた青木オリジナルの利休バッグは織りの質感も確かな品格のあるお品たち。お茶席以外でも様々な場面にお使い頂けます。
花唐草文、有職丸文、唐草立涌、笹蔓などのお柄がございます。

装いも大切なお茶の一部。
新たな気持ちで身を整え、また一年、邁進して行きたいものですね。

お茶席に必要な、着物まわりのご用意はぜひきもの青木をご利用くださいませ。

銀座店・オンラインショップのご案内

実店舗・銀座きもの青木では、着物や帯のほか長襦袢や羽織・コート、帯締め、帯揚げなどの小物も豊富に取り揃えております。皆さまのお越しをぜひお待ち致しております。

店内混み合う状況もございますので、ご来店予約を頂くと比較的スムーズにご案内できます。ぜひ、ご来店フォームをご利用くださいませ。
※ご予約なしでもご相談を承っておりますが、ご予約のお客様を優先して対応させていただきますので、長時間お待たせしてしまう場合もございます。コーディネートのご相談やお着物や帯をご持参いただく場合は、ご予約をおすすめしております。

ご来店予約はこちら

● きもの青木・銀座店 ●
〒104-0061
東京都中央区銀座1-8-2 プルミエビル1F
電話:03-3564-7171
営業時間:11時~18時
定休日:月・火曜日


ONLINESHOP

遠くにお住まいの方にも安心してご利用いただける、きもの青木のオンラインショップです。
今回ご紹介しました商品はオンラインショップでもご購入できます。ぜひご覧くださいませ。

きもの青木 オンラインショップはこちら

銀座きもの青木 オンラインショップ

(撮影協力:世田谷美術館)


※2024年11月発行
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今日は着物で。vol.6 悉皆屋さんをご紹介します

「悉皆屋(しっかいや)さん」について、皆さまはどの程度をご存知でしょうか。
「悉皆」とは「ことごとく、すべて」という意味ですが、その通り、着物に関することの全てを相談できる場所なのです。

「色無地に紋を入れたいのですが…」「裄を直したいのですが…」
このようなお問い合わせを店頭やメール等で頻繁にいただきます。 残念ながら青木では、基本的にお直しやガード加工等のお手入れは承っておりません。お手数をお掛けしますが、お客様には商品をご購入後に個々でご相談をお願いすることになるのですが、そんな時の強い味方が、今回ご紹介する「悉皆屋さん」です。

日本橋店 店長の庭野さん

きもの青木 で自信を持ってご紹介させていただいております悉皆屋さんが、「きものトータルクリニック吉本」さんです。
先日、日本橋店にていろいろなお話しを伺ってまいりました。店長の庭野さんが、私の拙い質問にひとつひとつ丁寧に答えてくださいました。

どのようにご相談したらよいのでしょうか?

先ずは電話、あるいはホームページのLINEにて予め簡単なご相談内容を伝え、来訪の日時を予約していただくとスムーズにご相談ができるそうです。 予約がなくても受け付けてもらえますが、予約をされた方がゆっくりご案内いただけるようです。また、LINEですと写真を簡単に添付できますからお勧めです。

吉本さんのお店では、職人さんが作業なさっている現場で直接お客様からお話を聞き、作業内容についても職人さんから説明していただけます。 実際に作業する方からプロの視点でのお話を伺えるので、安心感も格別です。

料金や納期についてはいかがでしょうか?

基本的にはお仕立て、紋入れ、洗いに関しましては京都の本社にて、日本橋のお店では「染み抜き、やけ直し、汚れ落とし」をなさっていらっしゃるそうです。

納期につきましは、「紋入れ」「お直し」等は基本的におおよそ一ヶ月半から二ヶ月ぐらいとのことですが、お着物の状態や受注の混み具合によって追加のお時間が掛かることもあるようです。 また、着用したいお日にちが迫っている場合は、本社の状況等を確認しながら、 できる限りご希望に添えるように努力して下さるとのことですので、是非ご相談ください。

また、初めて悉皆屋さんに行く時にドキドキしてしまうのが「費用」ですよね。お尋ねしましたところ、 「事前見積もりやご提案は必ずいたします。また、お見積り確定後の追加は無いように予めしっかりチェックしますので、ご依頼いただいてからの追加のご費用はありません」とのことです。

「職人の手作業ですので、実際にはどのような仕上がりになるのか手を入れてみないとわからない部分もありますし、安価な仕事でもございません。大切なお着物を保証の無いまま預ける事になりますし、ましてや他店で綺麗にならなかったなど嫌な経験をされている方も多いので、着物歴の浅い方はどこに依頼したら良いかわからず不安になってしまうことも多いと思います。当社では、作業をする職人が直接店頭でお客様のお話を聞いて作業内容を決めたり、お見積りをすることで、どなたでも安心してご利用頂けますようにと心掛けております。」との言葉に、とてもほっといたしました。近くにこのように信頼できる悉皆屋さんが在ること、大切なお客さまにも自信を持ってご紹介できることをとても嬉しく思います。

紋を入れてほしいのですが…

先ず大切なのは入れてほしい「紋」の写真や、コピーをご用意ください、ということです。 洒落紋でしたらお好きなものをご用意いただければ大丈夫ですが、ご自分の家の正式な家紋をご存知でしょうか。私は、ついお墓で見る家紋を想像してしまいましたが、ご注意ください。白黒が反転している可能性もあるかもしれませんので、間違っていたら大変です。家紋を入れたいとお考えの場合には、先ずは正式な家紋をお調べください。

〈縫紋〉

お着物に入れてほしい家紋の写真やコピーをもとに、どんな種類の縫い紋にするかを決めます。 縫い紋には四種類あり、 「菅縫(すがぬい)」「まつい縫」「相良縫(さがらぬい)」「芥子縫(けしぬい)」 とそれぞれ、縫い方が違います。

価格につきましては縫いの細かさによっても変わりますし、紋自体が一般的ではない場合には下書きの紋を作る作業が発生するため、それぞれ変わってくるそうです。

既に入っている縫紋を一旦外して、新しく紋を入れ替える作業も可能です。

〈染め抜き紋〉

こちらもお願いできますが、着物の染料によっては色抜きが難しい場合もあるようです。実際に作業を行いながらのご相談とお考え下さい。

裄、身幅を出してほしいのですが…

どのくらい中に入っているかは、一部開いてみないとわかりませんが、出せる寸法に関してはその場でおおよそ、お答えが可能とのことです。 訪問着等の柄があるものに関しては、開いてみないと柄がどのように繋がっているかが 難しい場合もございます。

また肩からだけ出す場合はスジがでにくいのですが、肩、袖両方から出す場合は、 袖側にスジが残りやすくなってしまいます。 「スジ」と書きましたが、このスジとは「仕立ての際の折り筋」であったり、「縫い目の筋」のことです。

吉本さんでは必ず折れスジを伸ばしながら確認をし、スジが汚れていたり、ヤケていたり、 生地の色が違う場合も、スジ直し、ヤケ直し、そして汚れも落としていただけます。 襦袢との兼ね合いもありますので、直し方についてもご相談してみてください。

染みをつけてしまった場合はどうしたらよいのでしょうか?

まず、大前提として「何もせずに持ってきてください」そして 「できるだけ日にちを置かずに」とのことです。 青木にも「ファンデーションをつけてしまったのですがどうしたらよいでしょうか?」とのお電話がたまにございます。汚れにもいくつか種類がございますが、下記の表を目安にお早めにご相談ください。

汚れの種類とタイミング
血液、体液、ステーキの肉汁等タンパク質のもの一ヶ月以内に
紅茶、コーヒー、お抹茶等
(タンニンが含まれるもの)
できるだけすぐに
汗、ファンデーション等シーズンオフのお手入れの際に

※紅茶、コーヒー、お抹茶等はタンニンが含まれるので「染め」られてしまいますので「できるだけすぐに」お出しください

そして一番大事なことは「濡れたおしぼり等でこすることは、絶対なさらないでいただきたい」とのことです。 ちょうど取材時に擦ってしまったお着物がございましたが、表面が白く毛羽立ち、生地が傷んでしまったとのこと。素人目には色をかけたらよいのでは?と思いましたが、やはり一度生地が傷んでしまうと、修復は難しいようです。

ということですので「万が一、お醤油など食べこぼした際は、乾いたハンカチやタオルで押さえて吸い取る」のみ。そして、「悉皆屋」さんまでお持ちください。あとは職人さんにお任せ!!これ、試験に出ます(笑)!!これだけは、着物を着る際に覚えていてくださいね。

職人さんにお任せください

いかがでしたでしょうか。
「悉皆屋さん」を身近に感じていただけましたでしょうか?

実は、この取材の前に、来年成人式の娘の振袖の振りの長さのことで相談をさせていただきました。初めての「吉本」さんへの訪問に緊張していたのですが、優しい笑顔で対応していただき、先ず、丁寧に着物の寸法を図り、娘の寸法を確認し、実際に着用した上で振りの柄等を確認しながら、今回は切らずに中に織り込んで長さを調節するようにしていただきました。

こんなことができるのか?と思うのと同時に、今度は娘にこの長さだったら当日気をつけること、また写真を撮る時のアドバイスをいただき、緊張しがちな娘も嬉しそうにおしゃべりさせていただきました。扉を開ける時の緊張はどこへやら。本当に「悉皆屋さん」は着物についてなんでも相談できるところだなあ、と嬉しい気持ちでお直しをお願いしてきました。

お手持ちのお着物、青木で購入したお着物、悩んでいたら「案ずるより産むが易し」!
先ずは「きものトータルクリニック吉本 日本橋店」さんにご相談してみてはいかがでしょうか?

きものトータルクリニック吉本 日本橋店

私は都営新宿線、浜町の駅から歩いたのですが、「A1出口」から歩いて2分ほど。「染み抜き 吉本」の看板が見えたらもう安心。
優しい職人さんたちが相談にのってくださいますよ。

*交通便のよい南青山店もございます

南青山店は東京メトロ表参道駅から徒歩10分!日本橋店と同様のサービス内容でいろいろな相談に乗ってくださいます。南青山店の詳細はこちらからご覧くださいませ。

銀座店 田山

※2024年1月発行
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お茶ときもの、あれこれvol.4 ― 年末年始は華やかに、晴やかに

ようやく秋が深まってまいりました。 朝晩の冷え込みで山々も色付き、キリッと澄んだ空気が心地良いですね。 こんなふうにしみじみと風情に浸るのも束の間、すぐに慌ただしい季節が到来します。

12月の和風月名はご存じ「師走」。その謂れは年末に法要のため師(お坊さん)が馳せる、忙しく走り回るという説が有力だそうですが、そういえば「忙しい」は_慌ただしさゆえ心を亡くす、と書きますよね。なるほど言い得て妙な表現です。

また年末を表すのに「年の瀬」という言葉がありますが、こちらは時の経過を川の流れに例えたもの。瀬は流れが急なところ、淵は流れが緩やかなところを示し、 「世の中はなにか常なる飛鳥川 昨日の淵ぞ 今日は瀬となる」(古今集)の歌のように、年末に於いてはあっという間に時が流れてしまう、という比喩的な表現なのだそう。

確かに、年末は年賀状やお歳暮の準備に挨拶回り、仕事納めに忘年会と大忙し。 もちろん、お正月の準備と大掃除も重要ですね。 古式ゆかしくいえば「正月事始め」。 年神様をお迎えするために払い清める「煤払い」や、門松にする松や雑煮を炊く薪を取ったりする「松迎え」を行なって、新年に向けての準備をします。

関東では12月8日、京都など関西では12月13日から始まり、28日までに終わらせると縁起が良いとされていますが、果たして拙宅では年内に終らせる事が出来ますやら…。

そして、お茶の催しも季節の行事に付随して盛り沢山です。

まず冬の定番は「夜咄の茶事」。
冬至を迎える頃から極寒の2月頃まで盛んに行われる茶会です。夕刻から開始され、蝋燭の光で炉を囲み、冬の長夜に会話を楽しむという趣向。薄暗い茶室に燭台の火が揺れる中でのおもてなし、何とも茶の湯らしい風情ある催しですね。

テーマ茶会としては「クリスマス茶会」が近年では最もポピュラーでしょうか。クリスマス菓子を戴きつつ、西洋の食器などを道具に見立てて聖夜を楽しむ茶会です。

今や日本の文化にすっかり溶け込んだクリスマスですが、実はキリスト教と茶の湯には深い関係が。安土桃山時代、「利休七哲」と称された千利休の高弟7人の中にはキリシタン大名の高山右近、蒲生氏郷、細川忠興などが名を連ね、ポルトガルの宣教師らと大いに交流を重ねました。その一人、イエスズ会宣教師ジョアン・ロドリゲスの著作「日本教会史」の中にも茶の湯に関する記述が多く、以後、日本文化が広く世界に知られる事となります。

かつての時代に想いを馳せ、お茶を戴くのも一興ですね。

一方、バタバタと気忙しいこの時期に一息着こうと催されるのが「歳暮の茶」。
親しい人々を招き、慰労と感謝の意味を込めた忘年会的な茶会で、暮れも押し迫った20日過ぎに侘びた風情で行われます。こうした「忙中閑あり」を楽しむのもお茶の醍醐味の一つですね。

そして大晦日は「除夜釜」。
新年を迎える準備をすっかり整えた後、一年を振り返り、ゆっくりと戴くのが除夜釜の茶です。その年の干支の付いた道具を使い納めして、12年後までの別れを惜しむ「送り干支」「終い干支」などが行われ、一年を無事終えることに感謝します。

除夜の鐘が響いて年を越し、明けて新年は「大福茶」を戴きます。 元旦早朝に汲み上げた若水で茶を点て、家内一同で戴くお祝いのお茶です。 京都では1000年前から続く慣わしで、煎茶に梅干しや結び昆布などを入れて戴くことも。 梅干しは「皺がよるまで元気に暮らせるように」、結び昆布は「睦み(むつみ)よろこぶ」にかけ、長寿と健康を願います。

そして新年の一大イベントである「初釜」へと繋がり、こうしてまた一年、人の営みと共にお茶も進んでいくのですね。

それでは年末年始ですので、お茶席での装いも華やかにまいりましょう。

初釜の装い

初釜は新年に初めて釜に火をかけるお祝いの茶事ですので、いつもより華やかに、新春の晴れがましさをアピールしたいですね。

お着物は格調高い訪問着、付下げ、色無地などを着用します。お色目は明るめで、濃色の場合はお顔映りの良いものを選ばれるとよいでしょう。柄も松竹梅や亀甲、宝尽くしなどおめでたい吉祥文様、またその年の干支模様など、新春を感じさせる意匠のものを。お嬢様なら振袖も華やかで良いでしょう。

色無地の場合は染め抜きの一つ紋、または三つ紋付きで、地紋は吉祥柄のものを。

合わせる帯は金銀糸を用いた唐織、錦織などの量感のある袋帯を。こちらも吉祥文や正倉院文、格高の有職文などがふさわしいでしょう。

色留袖は亭主や正客の装いにも最適です。裾に柄を置く色留袖は座ると模様が隠れて色無地のように見えるのでお道具の邪魔をせず、お茶席に適った装いといえましょう。一つ紋ならば訪問着と同格、また三つ紋になると一層格高になりますので、お席の格に合わせてご着用くださいませ。

またお正月ですので、一年の始まりにふさわしく、何か新しいものを身に付けたいですね。

半衿や足袋、着付け小物でも良いですし、バッグや帛紗を新調するのも心が弾みますね。お稽古もまた新たな気持ちでスタートを切りたいものです。

テーマ茶会や年末年始のお出かけに関しては過去のコラムでも書き留めておりますので、あわせてご覧くださいませ。「今日は着物でvol.5」)

年末年始はお茶会以外にもお食事や趣味の会合、観劇などのお出かけも多いと思いますので、いつものお茶の着物に帯を変えて楽しんでみてはいかがでしょう。

その時にしか身につけられない趣味性の高いテーマ柄、季節柄はもちろん、出番を待ちあぐねている刺繍の帯や個性的な洒落袋帯、染の名古屋帯なども活躍してくれそうですね。

年末年始はぜひご自身の個性を際立たせる、とっておきの装いを。
どうぞ晴れやかな新年をお迎えくださいませ。

※2023年11月発行
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お茶ときもの、あれこれvol.3 ― 名残の茶から口切りへ

お茶のお正月がやってきます!

10月は和風月名でいえば「神無月」。全国の八百万の神さまが出雲に集い、様々な取り決めをするためお出かけになるので神さま不在の月。そのため、神さまが集まる出雲地方では「神有月」と呼ばれていますね。

二十四節気でいえば10月8日頃は大気が冷えて露となる「寒露」、下旬の23日頃になればその露が霜となって降りてくる「霜降」となります。

近年は気候変動で季節の移行が遅くなっておりますが、それでも少しずつ秋が深まってまいりました。

お茶の世界では10月を「名残」月と言います。前年11月から頂いてきた茶壷の中のお茶も残りわずかとなり、初夏から半年を共にしてきた風炉とも今月限りで炉と交代になる。そんな別れを惜しむ心情から「名残」と言われるようになりました。

二十四節気の呼称からも感じるように、秋が深まるにつれて寒々しく、寂れた風情に。そのため名残の茶では道具の取り合わせ、茶室のしつらえも「侘び寂び」に徹します。 風炉や釜も一部欠けたり割れたもの、茶碗も欠けを継いだりしたものを使ったり、風炉の灰には藁灰や縄灰まで入れ、これまで愛用して来たものを惜しんで捨てず、名残の念をもって次に生かす、という深い精神性も窺えるところです。

またこの頃には「中置」というお点前がなされます。 夏の間は暑さを避けるため隅に据えていた風炉を道具畳の中央に置き、客になるべく火を近づけ、温まってもらいたいという亭主から客への思いやりです。朝晩の冷え込みが強まる晩秋ならではの風景ですね。

そして11月、お茶の新年がやってきます。

千利休が「柚子の色づくを見て囲炉裏に」といったように、11月初旬の立冬を迎える頃に炉開きが行われます。

炉開きは「茶人のお正月」と表現される特別な行事。
それまで閉ざされていた炉を開いて火を熾し、その年に摘み取られた新茶で新たな年を迎えるという感謝と喜びの日なのです。

その際、新茶の詰まった茶壷の口を開ける事を「口切り」といい、正式な「口切りの茶事」が行われたりします。

*参照ブログ《炉開きの装い

夏の八十八夜頃に摘み取られた新茶は壺に封印され、半年の熟成期間を経て熟成され、ようやくこの日に至るわけで、まさに茶人にとっては新たな年の始まり。しつらえも「名残」の余韻は一掃され、畳表や窓障子を張り替えたり、炉壇も塗り替えられたりと新たな気分で新年が始まります。

そして年末年始を経て初釜へ。 このあとも、お茶は人の営みと季節と共に変化しながら続いて行きます。

それでは、来るべきお茶のシーズンに向かってお着物の準備をいたしましょう。

まず必携は色無地、江戸小紋

シンプルにして端正、帯合わせ次第で様々に表情を変える色無地、江戸小紋は必携の一枚。
色無地はお席によって地紋や色を考慮し、江戸小紋は三役、五役の定め柄がフォーマル度も高く便利です。風物詩や季節感を文様にしたいわれ柄をシーンに応じて装うのもお洒落ですね。また、一つ紋を付けておくと準礼装となり、幅広い場面で着用できるので重宝にお使いいただけます。

合わせる帯は有職文や古典文様の袋帯や名古屋帯、またその季節ならではの染帯など、お茶席の趣向や格に合わせて。

*参照コラム
礼を尽くした装いで -色無地・江戸小紋

今日は着物で。 vol.1 江戸小紋を着る日

炉開きの装い

炉開きは基本的に社中やお教室の行事となる事が多いので、色無地や江戸小紋に有職文や古典文様の織りの帯、飛び柄小紋に季節柄の染名古屋帯など、フォーマル度は高くなくてもきちんと感のある装いを。定番であってもお茶の新年である炉開きにふさわしいコーデを選びましょう。
不安な場合は先生にご相談なさると安心ですね。

*参照ブログ《炉開きの装い

茶会にはスタンダードな正装、訪問着・付下げが重宝

格式の高いお茶会では訪問着、付下げなどを着用しますが、フォーマル度の高い、品格のあるものを選びましょう。お色目は柔らかく、柄付けは小ぶりで胸や襟に柄が少ないもの。そうすればお道具の色や模様を邪魔しない、一歩控えた装いになります。また箔や刺繍がなく、華美になりすぎない加賀友禅なども好ましいでしょう。

帯合わせはやはり茶会の格に合わせて。例えば初釜や家元主催の茶会では有職文や古典文様の重厚な唐織や錦織の袋帯を、月釜やテーマ茶会では同じ古典文様でもその会趣に合ったもの、また時節に合わせた色柄や趣味性の高いものなど、色々と楽しんでみましょう。

装いに関しての気配りと留意点

お茶はなんと言っても周囲との調和が大切。亭主と客が心を通わせて和む場なので、会の趣旨と周りの雰囲気を察して装いを決めたいものです。その際は格の釣り合いを考慮し、正客や亭主に準じる装いを心がけましょう。

また茶席では亭主の用意した掛け物、お道具などが主役。亭主はその日のために工夫を凝らして道具の取り合わせや茶室のしつらえを考えますので、ご自分の身につける装いがお道具の柄などと重ならないように、名物裂や茶道具などの柄には注意したいところです。

こうした事を踏まえ、事前に茶会の詳細が分かればテーマや趣向、お道具などを確認しておくことも必要です。お席との相性を大切に、ご自身ならではの和やかな日の装いをぜひ見つけてくださいませ。

続いて一年で最も華やかなシーズンがやってきます。
引き続き青木をご利用くださいませ。

※2023年10月発行
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