
きもので、でかけましょ。Vol.2 銀座で暑気払い
八月になりましたね。暦では、今は「大暑」。それを聞いただけでも、汗が吹き出してきそうですね。
「納涼」とは、夏の暑さをしのぐために、涼しさや過ごしやすさを工夫して作り出し、その瞬間を楽しむこと。四季それぞれを上手に楽しむ知恵がある、いかにも日本人らしい美しい発想ですね。 皆様は、どのような「納涼」をされていますか?
真夏のお昼間に半袖でちょっと外に出るだけでも暑いのに、おきものでおでかけ、、、
ちょっと躊躇しますよね。 暑さのほとぼりが冷めた夕刻からやおら街へと繰り出して、暑気払いを兼ねた夜会はいかがでしょうか。
さぁさぁ、きもので、でかけましょ。
今宵は、銀座の街へ、ちょっと一杯、暑気払いに。
暑気払いは、本来は暑い夏に体を冷やす効果のある食べ物や飲み物、漢方などで、体に溜まった熱気を取り除くという意味があります。昔は、エアコンなど、外からの暑さをしのぐ有効な手段がほとんどなかったので、体の内側を冷やして、暑さを討ち払っていたのですね。 お着物愛好家にとっては、おめかししてお出掛けする素敵な口実であり、そして、まさに帯にこもった熱を冷ましてくれる切実な対策ですよね。
それでは皆様も集まったところで、
さてさて始めましょうか。
まずは、冷酒で乾杯!
酒の肴は何にしましょうか。 体の熱を払う効果がある食べ物の代表には、キュウリやゴーヤ、スイカ、冬瓜など、瓜科の野菜があげられます。また、6月から7月にかけて収穫される麦には体を冷ます作用があると言われ、お素麺(ひやむぎ)やそしてビールも優れた利尿作用で、体内から老廃物や水分を体外へ排出するそうです。 でも、冷やしすぎないよう、ほどほどに。
夏に旬を迎える食材には、夏バテを防ぐ効果の高いものが多いと言われています。今宵のお店で供された、稚鮎の天ぷらや、桃の白和えも夏ならではのご馳走。鮎は、頭から尻尾まで栄養素がギッシリ。桃は「不老長寿の仙果」とも呼ばれ、邪気を払う力があるとも言われます。季節の恵をたっぷり取り込んで、夏を乗り切りたいですね。
ひとしきり体の粗熱が取れてきたところで、話題はやはり夏のお着物へ。夏にお着物を少しでも快適に纏うために、今宵集まった着物婦人たちは何を実践しているのでしょうか。少しご紹介。
「私は、肌襦袢は、さらりとした肌触りの綿麻の高島ちぢみ。」
「それから、ステテコは必須です。太ももの汗の不快感が軽減されますよね。」
「ヘチマの帯枕は涼しいけれど、今日は本当に暑かったので、帯枕を使わない、角出し結びで。背中に熱がこもらないだけでも本当に楽ですよ。」
「もっとひんやり効果が欲しいときには、保冷剤をガーゼやハンカチに包んで、帯の脇側や背中のところに差し込んでいますよ。」
皆様は、どのような工夫をされていますか?
オススメのコーディネート情報
= 撮影協力 =
暑気払いに訪れた店舗:「銀座 縁 -ENISHI-」 http://tg-company.jp/enishi/
出演ご協力:着付・着物コーディネート相談「ゆずりは」http://r.goope.jp/y-yuzuriha 主宰の田中由起さん。
7月23日にきもの青木で実施した、角出し結びのレッスンの講師もご担当。
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