お茶ときもの、あれこれvol.5 ― 心も装いも新たに お茶の新シーズン到来です
気温の高かった時期を経て、ようやく空気の冷たさを感じる季節がやってまいりました。いよいよお茶の新シーズン到来です。
まず迎えるのは「茶人のお正月」ともいうべき炉開き。それまで閉じていた炉を開き、初夏に摘まれた新茶の封を切り、熟成されたお茶を頂きます。そうしてまた新年を迎えられた事に感謝し、一年が始まるのですね。
その後も季節の行事に付随してお茶の催しは盛り沢山。年末はクリスマスや歳暮のお茶会など、明けて新年は初釜や点初めなど、華やかなお集まりが多くなります。新たな気持ちで臨むお稽古やお茶会、お茶友や先生との交流もいっそう心が弾みますね。
そんな多忙な時期を前に、皆さまの装いのご準備はいかがでしょう。
お茶会だけでなく、他のシーンでも着回しのきくお着物をお探しの方にはまずベーシックな色無地がおすすめです。シンプルにして端正、帯合わせ次第で雰囲気を変えてくれる色無地は必携の一枚。紋をつけると準礼装になりますので、改まったお席や式典などに重宝です。
また江戸小紋はお稽古や大寄せのお茶会などに便利なお着物。細かい柄が遠目からは無地に見え、こちらも凛とした雰囲気が魅力です。格高の織名古屋帯や金銀糸の控えめな袋帯を合わせるとフォーマル度の高い装いとなります。
箔屋清兵衛(はくやせいべい)はお茶席向きの帯づくりで知られる西陣の織元、陰山織物の人気ブランド。
光沢を抑えた箔糸を用い、深みのある彩りで名物裂や正倉院文、吉祥文などの格調高い文様を織り出した風格のあるお品です。軽くてしなやかで締めやすいのが特徴で、購入しやすいお値段枠なのも嬉しいですね。
お茶席はもちろん、訪問着や付下げ、色無地から江戸小紋に合わせて式典や改まったお出かけなど様々なシーンに対応できる重宝な一本です。
お茶席の装いはその茶会の格にあったものを選ぶのが基本ですので、袋帯に限らず、名古屋帯も大いに活用できます。
有職織物の浮き織りから発展し、能装束にも使われてきた格調高い唐織、金銀箔を用いた重厚感のある名古屋帯などはお茶席向きです。
またお稽古やカジュアルなお茶会では、絵柄が豊富な染め名古屋帯なども活躍してくれそうですね。
袋帯も茶会の格に合わせ、その会趣にあったものを選びたいものですね。
初釜や家元主催の茶会では、有職文や古典文様の重厚で質感のある唐織や錦織のものを。時節にちなんだ吉祥文やおめでたい柄なども晴れやかで良いでしょう。
また記念茶会や月釜ではあまり格式張らず、金銀糸も控えめなものを。
一方、カジュアルなお茶会では趣味性の高いテーマ柄や季節柄の洒落袋などを合わせるのも楽しそうです。
初釜には新春の晴れがましさを感じさせる華やかな付下げや訪問着を。帯は金銀糸を用いた重厚な袋帯を合わせて。お茶会の格や周囲との調和も大切ですので、お茶席との相性を考慮してコーデを選ぶのも大切です。
装いにつきましては以前のコラム(名残の茶から口切りへ)でも書き留めておりますので、そちらも併せてご覧くださいませ。
そして新年には新しいものを身につけるのが縁起が良いと言われています。気分を改め、新しい気持ちでスタートを切るという意味でも、今年は着物まわりの小物たちをアップデートしてみてはいかがでしょう。
装いの重要ポイントとなる帯揚げや帯締め、機能性と装飾性を兼ね備えたバッグなど、新調したい小物たちの魅力について触れてみたいと思います。
帯締め・帯揚げ
帯揚げは胸元を飾り、着物と帯との境目にアクセントをもたらす重要なパーツ。帯締めは最も目が留まりやすい身体の中心にあり、こちらも着姿を完成させる重要なポイントとなります。 同じ着物と帯のコーデでも小物を替えるとかなり雰囲気が変わるので、着物と帯との色・柄のマッチングやバランスを工夫してみましょう。
帯揚げ
お茶席の場合、初釜や点初めなどには淡いお色や白系、金銀糸使いの華やかなものを。また多色使いでも雰囲気の柔らかいもの、スタンダードな柄付けのものが好まれるようです。
帯締め
お茶席の場合は帯の質感やボリュームに負けず、金銀糸を効果的に用いたもの、巧みに組まれた質感のあるものなどが着姿全体を引き締めてくれます。
色は着物や帯の色彩の中から一色、同系の色を選ぶとまとまりやすいでしょう。一方、対照的な色や多色遣いはガラリと雰囲気が変わりますので、いろいろ試してみるのも楽しいですね。
数寄屋袋・利休バッグ
数寄屋袋は帛紗や扇子、懐紙や黒文字などお茶席に必要な小物を収める携帯用の小物入れ。利休バッグはお茶会やお稽古にマッチする和装バッグで、式典やお出かけにもお使い頂けます。どちらも着姿を引き立てる脇役としてひとつは持ちたいお品です。
数寄屋袋
上質な帯地から仕立てた数寄屋袋。すっきりとしたデザインと確かな織の質感が品格を感じさせます。
唐織の有職文、宝尽くし、花唐草文などのお柄がございます。
利休バッグ
普通利休バッグは茶室には持ち込みませんが、持ち込む事になった場合、茶室の壁や畳の状態に配慮して布製のものががふさわしいと思われます。数寄屋袋と同様、上質な帯地から仕立てた青木オリジナルの利休バッグは織りの質感も確かな品格のあるお品たち。お茶席以外でも様々な場面にお使い頂けます。
花唐草文、有職丸文、唐草立涌、笹蔓などのお柄がございます。
装いも大切なお茶の一部。
新たな気持ちで身を整え、また一年、邁進して行きたいものですね。
お茶席に必要な、着物まわりのご用意はぜひきもの青木をご利用くださいませ。
銀座店・オンラインショップのご案内
実店舗・銀座きもの青木では、着物や帯のほか長襦袢や羽織・コート、帯締め、帯揚げなどの小物も豊富に取り揃えております。皆さまのお越しをぜひお待ち致しております。
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※2024年11月発行
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