宮古上布 深い琉球藍の気品 — 丹精をこらした逸品 vol.06

先回ご紹介した八重山上布と同様に、薩摩藩の貢納布制度によって厳しく管理された過酷な歴史を経て、洗練を極めた布として今に伝えられる宮古上布。温暖な島の気候を利用し苧麻を育て、糸を績み、締機で絣を締め、琉球藍で染める。経緯共に手績みによる極細の糸を用い、乾燥に弱く切れやすい糸を調整しながら点のような精緻な絣を合わせ、織り上げる。更に澱粉糊で糊付けをし、木槌で丁寧に砧打ちを行う。どの工程も気を抜くことのできない恐ろしく難儀な仕事の連続ですが、惜しみ無く費やされた手間や時間の結晶はやはり、圧倒的な美しさで見るものを魅了します。

宮古上布の真骨頂、気品香る精緻な絣

【着物1911】

絣の技、織りの技が存分に発揮された宮古ならではの迫力ある逸品

【着物1874】

蝋引きしたような、と形容される砧打ちの光沢がエレガント。宮古の紺上布の王道をゆく一枚です。

【着物1574】

手で描いたような滑らかな描線が全て、点絣の地抜きで表現されています。究極の細やかさだからこそ可能な表現ですね。

【着物1256】

アンティークを思わせる大胆で複雑な文様も、狂いの無い点絣の地抜きで見事に表現。

シンプルな幾何文はより身近な印象

【着物1871】

宮古ならではの点絣を綺麗に並べた立涌文。上記の宮古の面々に比べると、ちょっぴりカジュアルな雰囲気が親しみ易い一枚です。

【着物1603】

数え切れないほどの点絣で松皮菱を表現しています。宮古らしい技術を駆使しながらも、すっきりとした幾何文がモダンです。

宮古上布の最盛期は大正期から昭和初期

アンティークと呼ばれる宮古上布には、今では見られない大胆な意匠や可愛らしいモチーフが見られます。本来とても丈夫な苧麻素材。まだまだ現役で頑張れます!

日本工芸会 正会員 新里玲子さんの作品も揃っています♪

紺上布のみを追究していた従来の宮古上布の作風から離れ、琉球王朝の頃に存在した色とりどりの上布を蘇らせた、日本工芸会正会員の新里玲子さんの作品たちです。上質な苧麻糸にのせた清澄な彩りやモダンな表現によって、宮古上布に新たな可能性が広がりました。
手績みの苧麻糸を用いたひんやりとしてしゃり感のある九寸帯。芯が入りますので夏の初めの単衣時期から夏を通してお使い頂けます。

経緯手績みの糸を用いる宮古上布。その貴重な技術は国の重要無形文化財にも指定されています。 手機で丹念に織り上げられた最高の糸が運ぶひんやりとした蝕感、ふわりとした心地良い張り、全てに酷暑から着る人を守る知恵が詰まっています。 上布の女王と呼ばれるに相応しいエレガントな夏衣、そのかけがえのない美しさにも拘わらず、経緯手績みの上布は年々大幅に生産が減少し、存続が難しくなっている染織品の代表格です。どうぞ身に纏い、街を歩き、このような布が今なお私たちの前に在る幸せをご実感下さいませ。

青木では様々なタイプのお品を比較しながらご覧頂くことができます。 こちらからもチェックしてみてくださいね。

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清々しい風を運ぶ 八重山上布 — 丹精をこらした逸品 vol.05

夏の織り、といえば真っ先に名前の挙がる上布。とりわけ沖縄には宮古の藍上布、八重山の白上布という素晴らしい苧麻の布が古くから織り継がれています。古くから薩摩藩の貢納品として厳しく管理され、磨き抜かれた技術が、いま私たちに清々しい風を運んでくれます。

草木染めや括り染めによる大らかな色柄の帯たち

かつては殆どが白地に紅露を染料とする薄茶の絣であった八重山上布ですが、現在では豊富な植物染料を利用した彩り美しい品々が目を楽しませてくれます。
帯でしたら梅雨明け前の単衣時期から、夏を通してお使い頂けますね♪

【着物1242】

昔ながらの白地に茶系の絣、八重山上布らしい着物です。整然と並ぶ糸巻き柄が端正な趣きのお品、真夏の陽射しに凜と映える一枚ですね。

【着物524】

淡いベージュ地に井桁やトーニーの絣を置いた着物。さっくりとして張りのある布に草木の穏やかな色が溶け込んでいます。素朴でナチュラルな表情のお品は、どなたにも優しく寄り添ってくれそうですね。

素朴な糸味に野趣を残した八重山上布。
昔ながらの白上布の清々しさ、色上布の鮮やかさ、あなたはどちらがお好みですか。

この時季は、少しずつ八重山上布が登場します。
今年こそは上布を、とお考えの方、ぜひこちらからもチェックしてみてくださいね。

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夏着物を身近に…小千谷縮のいろいろ — 丹精をこらした逸品 vol.04

絣から無地・縞、小千谷縮もいろいろ

5月も後半となれば、そろそろ麻ものにも手を伸ばしたくなるこの頃ですね。ここ何年かの間にすっかり夏の定番となった小千谷縮、麻特有の涼しさに加えてお手入れの気軽さやお手頃な価格ということもあり、初心者の方も着慣れた方にも大人気です。少し汚れを見つけても、その部分だけつまみ洗い、なんてことも可能です。水に強く丈夫で着込む程に柔らかくなる麻の特性からも、日常にどんどんお召し頂きたいですね。

*きもの青木が反物から仕立てた小千谷は、お家で手洗い可能な仕様です。 気になる時に衿や袖口など気になる箇所をささっと洗っておく、汚れた ところはすぐに処理しておくと、いつも気持ち良くお召し頂けます。

【着物1583】

一見経緯絣に見えますが、特殊な捺染脱色による絣柄です。 表裏織りによる絣と見分けの付かない仕上がりに驚かされますね。

【A-1983】

左と同じく捺染脱色による絣。絣を括り手機で経緯を合わせる工程が無い分、新品でもとてもお値頃です。

反物からのお仕立ても、小千谷なら気軽に

マイサイズで洗える仕立てにすれば、手放せない夏衣になりますね。最初の一枚にぴったりの格子や縞、無地の反物もご紹介しています。

すぐにお召し頂ける、シンプルな縞や格子

サイズが合うものがあれば、すぐにお召し頂けるお仕立て上がりは、やはり便利ですね。

お気に入りの柄もので、軽やかな気分を盛り上げる

数少ない小千谷縮の絵絣ものは、間違いなく夏の朗らかな気分をグンと楽しく盛りたててくれそうですね。

小千谷縮の帯揚げ

夏着物や麻帯に合わせて、帯揚げにも小千谷縮の涼感を取り入れてみませんか。きもの青木では、盛夏の装いを爽やかに引き立てるお色を揃えています。

番外編・・・【A-1464】 近江上布

こちらも長い歴史を誇る近江地方の上布。こんなに手を掛けた絣模様はすっかりみかけなくなってしまいました。

ぱりっとした麻、ワンピースやシャツで馴染んだ清涼感を着物でもぜひ!  夏着物の楽しさがぐんと広がります!

この時季は毎日いろいろな小千谷縮をご紹介しています。 こちらからもチェックしてみてくださいね。

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生糸を用いた端正な織り「本塩沢」 — 丹精をこらした逸品 vol.02

生糸を用いた端正な織り・本塩沢

ゴールデンウィークが過ぎれば、すっかり初夏の気配ですね。青空の下では単衣でも汗ばむような陽気です。 さて、先週は産地ものの縮織をご紹介しましたが、 今回は紬御召といえばこれ♪お馴染みの塩沢御召 (本塩沢) です。 単衣でも袷でも重宝な塩沢ですが、やはり本塩沢の布味はぜひ単衣で味わって頂きたいもの。価格的にも比較的こなれたお品が多いこともうれしいですね。こちらは真綿糸ではなく上質な生糸を用いていますが、同じく緯糸に強い撚りをかけることで生まれる細かなシボ、そしてしゃり感のあるさらりとした風合いが特徴です。 改まったお席にも対応できる無地からカジュアルな縞や格子、塩沢の技術を尽くした精緻な小絣等々、用途に応じて選ぶことができる単衣の本塩沢、きっと出番の多い一枚として活躍してくれることと思います。

精緻な技術を駆使した総亀甲詰

男性用にもお使い頂けそうな総亀甲詰は、塩沢ならではの精緻な技術。
ご年配の方が渋く着こなすのはもちろん、若い方が華やかな染め帯できりりとお召しになっても素敵です。

無地感覚の本塩沢

無地感覚の本塩沢はきちんとしたスーツのように。帯合わせ次第では少し改まったお席もOKです

繍一ッ紋付きは色無地代わりにも

程良い張りがあり、着崩れし難い紬御召は、お茶会などでも活躍してくれることと思います。

シンプルな格子や縞は合わせる帯を選びません♪

チェックやストライプと呼びたいタイプ。 渋みのある色やシンプルモダンな景色は帯の背景としても万能です。ちょっぴりメンズライクな凛々しさも魅力ですね。

絣の技術が創り出す様々なモチーフ

蜻蛉や草花、洋風の装飾文…風情豊かな意匠は塩沢伝統の優れた技術ならでは。

個性に合わせて選びましょう!

淡彩の暈かしが美しい小紋感覚のお品から、小粋なモチーフ、カラフルな色遣いの楽しい幾何文など、選択肢もたくさん。

あなたはどんな塩沢をお選びになりますか。どうぞお店でいろいろな本塩沢を触ってみて下さいね。

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単衣の季節に最適な織物「縮み」 — 丹精をこらした逸品 vol.01

単衣の季節に最適な織物・縮み

5月に入って、一段と陽射しも強くなってきましたね。そろそろ立夏、気軽なお出かけでしたら単衣に手を通す方も多いのではないでしょうか。
昔から結城縮や本塩沢、別名結城御召や塩沢御召など御召の名を付けて呼ばれる紬は、単衣に最適とされています。これらの織物は、強い撚りをかけた糸を用いることによって表面に細かいシボが生まれ、その凹凸によってぺたりと肌に付かずさらさらとした風合いとなります。滑りの良い裏を付けない単衣仕立ては捌きの良さも大切。程良い張りを備え、布同士の纏い付きが少ない縮織は、その点でもとても優れています。
真綿系の縮織は下記のようなお品がございます。
産地や糸によってそれぞれ少しずつ風合いは異なりますが、縮織の単衣、湿度も気温も高い単衣時期を快適に過ごすための知恵が詰まった着物ですね。

【着物1637】本場結城縮

縮みの最高峰といえばやはり、本場結城縮ですね。重要無形文化財指定のお品と同様に経緯共に真綿から手でつむぎだした糸を用い、丁寧に緯糸に撚りをかけ、手機で織り上げています。 本場結城縮にも地機と高機がございますが、こちらは地機で織り上げられたお品、圧倒的な軽さは流石ですね。現在では本当に稀少となりました。

【A-1950】結城縮 はたおり娘

本結城の老舗製造卸問屋・奥順さんのオリジナルブランド「はたおり娘」です。本結城と糸が異なりますが上質な真綿糸を使用、撚りをかけ、確かな技術で織り上げられた大変着心地の良い縮織です。

【A-1934】士乎路縮

士乎路紬は本場結城紬と同じく、手つむぎの糸を経緯に用いて高機で織り上げられる上質な織物として知られていますね。こちらもその縮織版、撚りをかけた緯糸から生まれるシボの凹凸がさわやかな風合いのお品です。

【A-1955】古志紬 縮織

新潟の山古志村を産地とする上質な紬です。室町の加納さんの扱い品で、こちらも真綿糸を用い、撚り掛けによる細やかなシボが肌に心地良い上質な縮織です。

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