WANOIROHAスタッフによる、IROHAコーディネート

2015年12月に「銀座きもの青木 世田谷店」として、世田谷は桜新町エリアに、銀座に次ぐ2号店として当店をオープンいたしました。オープン以来、着物を始めたばかりなのだけれども、、
和のお稽古ごとに興味があるのだけれどもキッカケがなくて、、
といった、近隣にお住まいのお客様のお声を多く聴かせていただきました。

この度の世田谷店改装にあたり、私たちはこのお店に特別な想いを持って「銀座きもの青木 WANOIROHA setagaya」と新たな看板を掲げ、2017年冬にはグランドオープンを予定しています。いろいろな角度から和の世界の楽しさを発信し、いろはの「い」から学べる温かい和のサロンのような店舗として皆さまから愛される場に昇華させていければと思っております。
グランドオープンに先立ち、10月28日土曜日午後12時よりプレオープンをいたしまして、従来からの和装販売、着付教室を再開いたします。
今回は「WANOIROHA setagaya」のスタッフが、世田谷のお客様ならばこんな感じがお似合いだろうな、と思いを巡らせながら、それぞれの得意分野を活かして、コーディネート作りをいたしましたので、ご挨拶の意も含めましてご紹介させていただきます。

こんにちは。私は学生時代から茶道に親しみ、30代後半になった今でも欠かさずにお稽古を重ねています。お茶のお稽古はもちろんのこと、その帰りにちょっとお出掛けするのが楽しみで、あれこれとコーディネートを考えるのが大好きです。今回は、お店に略式のお茶室も出来ましたので、お茶のお稽古着にオススメなコーディネートをご紹介したいと思います。

茶道は、形式的なものに目を向けられがちですが、一服のお茶を差し上げる、ただそれだけのことを思いつく限りのおもてなしで対応する、という本質的には精神性の非常に高いものです。ですから、お茶席での装いは自分の粋さを誇示するのではなく、客人を引き立てることが基本的な視点となります。ただお稽古の時は、もう少し普段着の延長として楽しみたいですよね。
私はつい最近世田谷エリアへ越してきたばかりですが、すれ違う方のお洋服の着こなしもとても上品でシックな方が多く、住宅街ならではの落ち着きと、良識を感じる土地柄がとても気に入っています。お茶のお稽古着の組み合わせは、普段の洋装の感覚で選ばれてもしっくりとくるものが多いのではないでしょうか。

 

お茶のお稽古着としてまず一番にオススメしたいのは、江戸小紋や色無地です。地紋や柄ゆき次第で、街着から改まった席まで幅広くお楽しみいただける重宝な着物です。同系色の織りの名古屋帯を合わせてワントーンで装えば、上品さが際立ちます。お稽古帰りにちょっと二子玉川のデパートに立ち寄ったりしても、すっと馴染みそうですね。帯を袋帯に変えれば、フォーマルなお茶席にもぴったりです。
着物:59,400円 帯:参考商品


 

 

 

お稽古着であれば、カジュアルな紬の着物でも問題ないという先生も多くいらっしゃいます。世田谷には美術館が点在していますし、お稽古帰りにフラリと立ち寄ってみたくなるものです。企画展のテーマにあった帯を締めて、あるいは季節を先取りした柄を取り入れてと、普段着ならではの装いも楽しみたいですね。それでも、やはり華美ではなく、楚々とした着こなしがお茶のお稽古場では好まれると思います。今回は、着物の格子柄に含まれる青の色をとって、澄み切った秋空のような青の地に紅葉や抽象的な植物、流水が描かれている染めの名古屋帯を合わせました。お稽古事の装いは、先生や社中の方のご意向や雰囲気にも左右されることが多いので、判断に迷ったときには、先ず社中の方にご相談なさると安心ですよ。
着物:64,800円 帯:43,200円

こんにちは。私は改装前からこちらの店舗スタッフとして勤務しております。店舗も広がり、仲間も増え、ワクワクしています。私は、以前スペインで生活をしていたことがあり、現地ではTVに出演される俳優さんへ着物のスタイリングや着付けを行なっていました。その後、現地で出会ったスペイン人と所帯をもつことになりました。生活の拠点を日本に移し、現在は夫の仕事の関係で大使館主催のパーティなどに参加する機会があるのですが、和装で参加すると、皆さんからとても喜ばれます。着物がコミュニケーションツールとなって、あれこれと話題が広がるのも魅力ですね。私からは、イベントに合わせたコーディネートのちょっとしたコツをご紹介させていただきます。

 

これからの季節、忘年会にクリスマスと、ご友人宅でのお集まりごとも増えますね。お集まりごとに合わせたお洒落で、会話に華を添えてみてはいかがでしょうか。気張って和装で来た!という感じでは、周りの方も気を遣われてしまいます。肩の力を抜いて、お洒落を楽しんでいます♪といった雰囲気も大切ですね。今回は、お洋服感覚で着こなせるコーディネートを作ってみました。まるで小雪が冬の空に舞うかのようなごく小さな水玉文の小紋に、上品にきらめく雪花文様の洒落帯。小物にはクリスマスカラーを取り入れてみました。
着物:54,000円 帯:24,840円

 

 

渋谷には東急Bunkamuraホールやセルリアンタワーの能楽堂、千駄ヶ谷には国立能楽堂が近隣にあることからでしょうか。世田谷のお店では、音楽鑑賞や能観劇に・・・、というお客様に多くお会いしました。今回は、目上の方とご一緒というシチュエーションでコーディネートを考えてみました。目上の方と、そして主役は舞台の上、ということを考えると、やはり華美になりすぎず、それでいてただ無難にまとめたな・・、とならない塩梅がなかなか悩ましいところです。オススメしたいのは、誰からも好かれるごく古典的な柄行きを、スッキリとモダンに着こなすコーディネートです。菱取華文が女性らしさを感じさせる付下げに、市松に料紙文が配された袋帯。どちらもスッキリとした直線的な文様をベースにしていることから、古典柄でありながらモダンな雰囲気にまとまります。
着物:75,600円 帯:37,800円

WANOIROHA setagayaでは、閑静な世田谷の街並みにもすっとなじむような、お洋服感覚でお召頂ける上品でモダンな着物や帯に特に力を入れて揃えています。
オンラインショップではご紹介していない素敵なお品も多様に揃えております。ぜひ、足をお運びくださいませ。皆様のお越しをスタッフ一同、心よりお待ちしております。

本編でご紹介しました商品は、WANOIROHA setagaya の店舗でご覧いただけます。
※オンラインショップでは販売しておりません。


きものコーディネート講座vol.1:秋のお洒落を楽しむ

9月になりましたね。カンカン照りだった太陽が日に日に短くなり、夏が終わりゆく寂しさと、実りの秋の訪れへの期待が交錯します。着物歴がまだまだ浅い私、きもの青木新入社員Aにとっては、6月から9月までの4ヶ月間の着物の着こなしが一番難しく、特に9月は、時にまだ暑い日もあったり、肌寒い日もあったりで、さぁ、何をどう着よう?!と悩んでしまいます。今回は、着物ビギナーの私Aが着物上級者Nさんからレクチャーを受けながら、9月のお洒落着の着こなしをご案内していきたいと思います。

A「9月に入るとお着物は単衣で、夏の薄物はもう着れなくなりますか?」

N「お茶席やフォーマルに関しては、9月1日から基本的には単衣に切り替える方が安心です。お洒落着に関しては、一般的には、遅くとも重陽の節句を迎える9月9日からは単衣へ切り替えます。でも、9月に入っても残暑が厳しい日もありますね。それに北海道と沖縄では季節が大分ずれているタイミングですから、その時々で薄物を上手にお召しになる上級者もいらっしゃいます。例えば、透け感が少ない着物に、秋の帯や小物を合わせたりと、着こなしの工夫をされていますよ。気候にもよるのですが、それでもやはり、遅くとも20日までには、薄物から単衣に切り替えた方がいいですね。」

 

A「なるほど。でも私のようなビギナーは、早めに単衣に切り替えた方が安心出来そうですね。」

N「そうね、季節遅れは無粋とされるから、手持ちのアイテムがまだ少ないうちは、その方が間違いないですね。残暑の日には、下着や襦袢を涼しい夏仕様にして調整してみてはどうかしら。」

A「半衿や襦袢にも単衣向きなものがありますか。私は絽の襦袢に絽塩瀬の半衿で過ごしてしまっていました。」

N「それでも、大丈夫。でも、真っ白の絽の襦袢だと、9月半ばを過ぎると見た目にも寒々しい感じがするので、透け感の少ない絽縮緬がオススメですよ。半衿も、絽縮緬やシボのある楊柳が似合いますね。」

 

A「着物を単衣に変えたら、帯や小物はどのように変化させていけば良いでしょうか。」

N「これも、絶対のルールはないから、Aさんのような初心者の方は悩んでしまうと思うのですけど、基本的には、季節を少しずつ先取りしていく、と考えると分かりやすいですよ。秋は、帯を先に変えて、次第に小物を変化させて、夏には、逆に小物を先に夏物にして、その後に帯、という順で細やかに季節の変化に対応していくイメージ。」

A「9月の初めは夏帯に夏小物、それから次第に袷帯に夏小物、そして、9月の終わりには袷帯に袷の小物といった具合ですか?」

N「そうそう。でも、単衣のときには、夏帯に夏小物、袷には袷帯と袷小物とはっきり分けている方もいらっしゃるから、大事なことは、季節感との調和を考えて、お洒落を楽しむことですよ。」

A「なるほど。お洋服だと、秋の初めは、柄や色合いは秋らしいけれど、涼しげな生地感、秋の深まりと共に、温かみを感じる風合いのものを選びますけど、考え方は似ているのですね。」

N「その通り。
季節に対する細やかな心配りをすることそのものを
楽しみたいですね。」

 

 

 

6月と同じ単衣を、秋らしくコーディネートしてみましょう。

 A「実は、私はまだ単衣を1枚しか持っていなくて、6月も9月も着た切り雀なんです・・・。帯でがらりと雰囲気を変えてみたいのですが。」

N「皆さん、最初はそうですよ。それに、着物一枚帯三本というくらいで、帯や小物との合わせで同じお着物を何通りにも楽しむというのがお着物の醍醐味ですから。いくつか具体的なコーディネートを見ていきましょう。」

 

#1シックに。

オフホワイトに紺色のぼかしが入った紬地に、すっきりとした麻の葉文様の単衣。
シックに着こなしてみましょう。着物A-1919

6月には、麻地に白抜きの絵柄が散らされた琉球藍の名古屋帯K-4173を。清々しく、爽やかに。
9月上旬からは、絹に麻を加えた地風の洒落袋帯L-951でさらりと。萩の葉の図は意匠化されている植物文ですので、季節はさほど問いませんが、風合い、色柄共に、秋単衣の頃がまさに打ってつけですね。
9月半ば以降には、袷の染めの名古屋帯K-1009を。こっくりした朱みを帯びた茶系の地に、ぷっくらとした兎の白さが清々しく、秋らしさが詰まった一枚ですね。今年の中秋の名月は10月4日。こんな装いで秋の美しい月を愛でたいものですね。

 

#2 キュートに。

オフホワイトの地に黒と赤の絣が織り出された紬。着物A-1013
ポップでキュートな装いに仕上げでみましょう。

6月には、意匠化された薔薇の花をぽんぽんと配した愛らしい絽塩瀬の染名古屋帯K-4207で。
9月には、とぼけたような表情のフクロウがなんともユーモラスな墨色の紬地の名古屋帯K-1849で。秋の夜長を感じさせます。単衣から袷まで着用できますよ。
もう1つは、朱系の縮緬地の名古屋帯K-1439を。秋に豊かに実る葡萄とアケビが野趣溢れる風情で描かれていますね。帯締めをダークなお色にすれば、うんとシックにも着こなせますが、明るい色を差し込むと、活力溢れる装いになりますよ。

いかがでしたか。今回の秋のお洒落着の装い講座は、この辺りで。
最後に、きもの青木がオススメする、秋の装いにぴったりの洒落帯コレクションを
ご紹介致します。

秋にオススメの洒落帯コレクション

葡萄や秋の月に兎と、季節感溢れる装いを。

秋草や紅葉など、野山に訪れる秋を纏って。

こっくりとした秋色を取り入れて。

皆さまも、深まりゆく秋、どうぞ楽しい着物ライフを過ごされますように。


街にとけ込む、格子の着物

まっすぐのラインが縦横に交わる格子は、世界中何処でも出会うかたち。ごく自然に私たちの目に入ってきます。シャツやスカート、ハンカチーフ、テーブルクロス…チェックという名前で子供の頃からいつも身近にありました。そもそも布の組織が格子で出来ているわけですから、きっと遙か大昔から人々は格子を楽しんできたのでしょうね。どなたにも親しみ深い格子は現代の街にすんなりと溶け込みますので、洋服の中にあっても気負い無くお召し頂けます。また帯を選びませんので着物初心者の方にもおすすめです。秋に向けて、お気に入りの格子を探してみませんか。

 

優しい格子、元気な格子、大格子、微塵格子、
シンプルな格子も色や大きさでこんなに表情豊かです。

着物と帯の組み合わせ、あれこれ。
軽やかなチェックの着物なら、街にも人にもすっとなじみます。

落ち着いた柿茶色は秋の色。藍を効かせたほっこり格子 。
合わせる帯は万能選手、無地の博多織。オフホワイトならもう来るもの拒まず!ですね。

着物 A-378 / 帯 K-3145

灰青みの紫とミントグリーンが爽やかな格子♪ 光沢のある地風がさらりと軽快な一枚です。
合わせる帯は質感の異なる真綿系の八寸。捨松さんらしい洗練されたカジュアル感を載せて。

着物 A-643 / 帯 K-3590

穏やかなベージュ系の地色をターコイズや蘇芳色がきゅっと引き締め、洒落味を効かせた一枚。
合わせる帯は、ぴょんぴょんと飛び出した髭が楽しい髭紬地に楚々としたイヌタデの図。季節感豊かなひと組です。

着物 A-863 / 帯 K-3424

鳶八丈を思わせる色遣い。温かくて、きりっとして、そしてモダンな格子。
秋らしい色で素朴な小花を置いた、趣ある紬地型染めの帯を合わせて。

着物 A-918 / 帯 K-3635

綾織りの光沢感ある黄八丈は格子の中でも華やか系。しゃっきり背筋の伸びる一枚ですね。
さやから小さな豆がこぼれる様子が丹念に描かれた、温かみのある染め帯を載せました。

着物 A-1247 / 帯 K-3143

ちょっぴり渋めのグリーンとグレイの爽やか格子文。どこかシックな景色はまさに大人カジュアルな一枚。
木綿地に藍型染め・菊唐草の帯を載せて、クラシックで力強い個性を。

着物 A-1716 / 帯 K-3194

明るいベージュにサーモンピンクの格子文。光沢のあるつるりとした風合いがエレガントな一枚。
華やかな芥子が並ぶ染め帯を合わせれば、景色は春爛漫。

着物 A-1878 / K-2402

染めならではの柔らかみが、モダンなモノトーンの格子に女性らしさを添えていますね。
淡いピンクの葡萄の染め帯を合わせれば、素敵な秋のお出かけスタイル。

着物 D-1068 / 帯 K-3302

 

格子の着物は帯の背景としても優秀です。
あれこれ載せて楽しんでみましょうか。

綺麗系の格子文なら、
*彩り豊かな芥子の花にも負けません。
*個性あふれる型絵染めをくっきりと際立たせます。

着物 A-1878
帯 K-2402
帯 K-2459

こっくり深みある彩りを、
*オフホワイトの博多できりりと引き締めて。
*愛らしい兎たちが、優しい甘さで包みます。

着物 A-378
帯 K-3145
帯 K-3401

大らかな黄八丈にあわせるのは、
*練色の紬地にさやまめが並ぶ微笑ましい名古屋帯だったり
*おすまし猫が佇む遊び心たっぷりの帯だったり

着物 A-1247
帯 K-3326
帯 K-3143

選りすぐりの素材を生かすのは 拘りの色とすっきりとした格子。

葡萄茶色と白橡色のやや小さめの格子文。ざざんざならではの布味が確かな存在感を見せてくれます。

着物1942

美しい鉄御納戸色を効かせたざざんざ織。モダンな表情が光ります。

着物1796

お顔映りの良い高麗納戸色、シンプルな格子がざざんざ織の質感を際立たせます。

着物1631

良く似た色遣いの格子でも、一本の細い赤が入ることでがらりとイメージが変わります。

着物1624

柔らかな黄色を淡い茶鼠が程良く抑える清々しい格子の伊那紬。

着物1939

澄んだ藍の美しいグラデーションが見事な伊那紬の単衣。

着物1855

紅花やくちなしなどの淡彩に薄藍を効かせた新田工房さんの紅花紬「太子間道」

着物1380

 

選び抜かれた糸を用いる各産地の美しい織り。ざざんざ織、信州紬、紅花紬…ご紹介はしておりませんが郡上紬や丹波布などなど、格子が印象的な紬たちは、草木から得た深い彩りも作り手の拘りの一つ。格子文の魅力である多様な色の調和を、贅沢に楽しんで頂けます。

今回一部ご紹介してみましたが、まだまだ きもの青木 には素敵な格子がたくさん眠っています。どうぞあなたの感覚にぴたりと寄り添う格子文を探してみて下さいね。