きもので、でかけましょ。Vol.1 おとなの夏祭り

 

お暑うございますね。皆様、暑中お見舞い申し上げます。
きもの青木では、新しく、お着物でのお出掛けスタイルの連載を始めました。
今宵は、大人の夏祭りへ。

じりじりと照りつける夏の太陽が傾き夜の帳が下り始めると、次々と提灯が赤く灯り、いよいよお祭りが始まります。さぁさぁ、浴衣ででかけしましょ。

ふわふわの可愛い兵児帯を締めた子供たち。鮮やかな色を纏ったお若いお嬢ちゃまたち。 浴衣は、子供の頃から、皆様にとっても一番馴染みの深いお着物ではないでしょうか。 着こなしの幅も広く、気軽に着こなせるお着物のひとつですね。 今宵は、ちょっと小粋な大人の着こなしで、賑やかなお祭りへ繰り出しましょう。

訪れたのは、神楽坂まつり。

東京では、梅雨が明けて、夏本番に入るころに、ほおずき市があちこちで開かれます。神楽坂まつりは、東京のほおずき市のフィナーレともいえます。第一部がほおずき市、第二部が阿波踊り大会となっており、期間中に2つの楽しみ方が出来る夜祭りです。

市ヶ谷・神楽坂の界隈は、江戸時代には武家屋敷が多く立ち並んでいました。その後、神楽坂は「毘沙門天 善國寺」の門前町として発展していきました。縁日の日には多くの人が訪れ、東京の「縁日の発祥の地」と呼ばれるようになったとか。

神楽坂まつりは、この「毘沙門天さま」を中心に、坂に沿って縦に長く広がっています。 「毘沙門天さま」の目の前に立つのが、今日のメインスポット、ほおずき市。 ほおずき市で有名な浅草寺のホームページによると、平安時代より観音菩薩の縁日は毎月18日で、室町時代末期ごろから、「功徳日」と呼ばれる縁日が設けられるようになったそうです。その日に参拝をすると、大きな功徳が得られるとされ、特別な日を指しました。
「功徳日」は寺社によって異なりますが、7月の功徳日が特に最大のもので、この縁日にほおずき市が立つようになったそうです。江戸時代、「ほおずきの実を水で鵜呑みすれば、大人は癪(なかなか治らない持病)を切り、子供は虫気(お腹の中にいると考えられた虫による腹痛など)を去る」という民間信仰があり、薬用も兼ねてほおずきを求める人たちで賑わったそうです。

ほんのり色づき始めたほおずきには、色とりどりの涼しげな風鈴が飾られています。
それを選ぶのもまたひとつ楽しみですね。

 

神楽坂は、大正から昭和前期にかけては花街として隆盛を誇りました。最盛期には600名もの芸妓さんに、料亭・待合が150軒を数えたそうです。表通りの賑やかな商店街から、一歩路地裏に入ると今でも花街特有の独特な雰囲気を放っています。

 

神楽坂を登り切ると、終点には赤城神社が。赤城神社には「赤城姫命(あかぎひめのみこと)」が祀られており、お詣りに来た女性の願い事を叶える女神様、と言われています。
赤城神社は、2010年に建築家・隈研吾さんの監修により、モダンな社殿に生まれ変わりました。
さぁ、あなたは何をお願いしますか?

お祭りの火照りを冷ましに、風情ある街並みをそぞろ歩きするのも、またひとつ。
喉が渇いたら、ちょっと一杯、
よく冷えたシャンパンなども、よろしいようで。
さぁ、きもので、でかけましょ。

 

オススメのコーディネート情報

今回着用したコーディネートは、綿絽の浴衣に、博多織紗献上の名古屋帯という定番のスタイル。 きもの青木には、ほかにも大人のお祭り姿を彩る素敵な着物、帯を多く取り揃えています。 浴衣はもちろんのこと、小千谷縮や絽のお着物でも素敵な夏祭りの装いが完成します。 大人が童心に戻る遊び心いっぱいの小千谷縮のコーディネートや、 モダンな絽のお着物に古典柄の帯を合わせた装いなど、一捻り効かせた装いもオススメです。

着物 D-1533 帯 K-3040 着物 A-1140 帯 K-4166

 

オススメおとなの夏祭り情報

「神楽坂まつり」は7月26日(水)〜29日(土)までの開催です。
詳細に関しては、神楽坂通り商店会のホームページをご参照ください。(http://www.kagurazaka.in/matsuri/)

他にも、きもの青木店舗周辺では、オススメの大人の夏祭りが続々と開催されます。
7月29日(土)        隅田川花火大会
8月2日(水)〜5日(土)  築地本願寺盆踊り
8月6日(日)        ゆかたで銀ブラ 2017
8月12日(土)        浅草夏の夜まつり とうろう流し
8月19日(土)       たまがわ花火大会
8月20日(土)        神宮外苑花火大会
8月25日(金)〜26日(土) 日比谷公園盆踊り
8月26日(土)〜27日(日) 麻布十番納涼まつり


宮古上布 深い琉球藍の気品 — 丹精をこらした逸品 vol.06

先回ご紹介した八重山上布と同様に、薩摩藩の貢納布制度によって厳しく管理された過酷な歴史を経て、洗練を極めた布として今に伝えられる宮古上布。温暖な島の気候を利用し苧麻を育て、糸を績み、締機で絣を締め、琉球藍で染める。経緯共に手績みによる極細の糸を用い、乾燥に弱く切れやすい糸を調整しながら点のような精緻な絣を合わせ、織り上げる。更に澱粉糊で糊付けをし、木槌で丁寧に砧打ちを行う。どの工程も気を抜くことのできない恐ろしく難儀な仕事の連続ですが、惜しみ無く費やされた手間や時間の結晶はやはり、圧倒的な美しさで見るものを魅了します。

宮古上布の真骨頂、気品香る精緻な絣

【着物1911】

絣の技、織りの技が存分に発揮された宮古ならではの迫力ある逸品

【着物1874】

蝋引きしたような、と形容される砧打ちの光沢がエレガント。宮古の紺上布の王道をゆく一枚です。

【着物1574】

手で描いたような滑らかな描線が全て、点絣の地抜きで表現されています。究極の細やかさだからこそ可能な表現ですね。

【着物1256】

アンティークを思わせる大胆で複雑な文様も、狂いの無い点絣の地抜きで見事に表現。

シンプルな幾何文はより身近な印象

【着物1871】

宮古ならではの点絣を綺麗に並べた立涌文。上記の宮古の面々に比べると、ちょっぴりカジュアルな雰囲気が親しみ易い一枚です。

【着物1603】

数え切れないほどの点絣で松皮菱を表現しています。宮古らしい技術を駆使しながらも、すっきりとした幾何文がモダンです。

宮古上布の最盛期は大正期から昭和初期

アンティークと呼ばれる宮古上布には、今では見られない大胆な意匠や可愛らしいモチーフが見られます。本来とても丈夫な苧麻素材。まだまだ現役で頑張れます!

日本工芸会 正会員 新里玲子さんの作品も揃っています♪

紺上布のみを追究していた従来の宮古上布の作風から離れ、琉球王朝の頃に存在した色とりどりの上布を蘇らせた、日本工芸会正会員の新里玲子さんの作品たちです。上質な苧麻糸にのせた清澄な彩りやモダンな表現によって、宮古上布に新たな可能性が広がりました。
手績みの苧麻糸を用いたひんやりとしてしゃり感のある九寸帯。芯が入りますので夏の初めの単衣時期から夏を通してお使い頂けます。

経緯手績みの糸を用いる宮古上布。その貴重な技術は国の重要無形文化財にも指定されています。 手機で丹念に織り上げられた最高の糸が運ぶひんやりとした蝕感、ふわりとした心地良い張り、全てに酷暑から着る人を守る知恵が詰まっています。 上布の女王と呼ばれるに相応しいエレガントな夏衣、そのかけがえのない美しさにも拘わらず、経緯手績みの上布は年々大幅に生産が減少し、存続が難しくなっている染織品の代表格です。どうぞ身に纏い、街を歩き、このような布が今なお私たちの前に在る幸せをご実感下さいませ。

青木では様々なタイプのお品を比較しながらご覧頂くことができます。 こちらからもチェックしてみてくださいね。

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清々しい風を運ぶ 八重山上布 — 丹精をこらした逸品 vol.05

夏の織り、といえば真っ先に名前の挙がる上布。とりわけ沖縄には宮古の藍上布、八重山の白上布という素晴らしい苧麻の布が古くから織り継がれています。古くから薩摩藩の貢納品として厳しく管理され、磨き抜かれた技術が、いま私たちに清々しい風を運んでくれます。

草木染めや括り染めによる大らかな色柄の帯たち

かつては殆どが白地に紅露を染料とする薄茶の絣であった八重山上布ですが、現在では豊富な植物染料を利用した彩り美しい品々が目を楽しませてくれます。
帯でしたら梅雨明け前の単衣時期から、夏を通してお使い頂けますね♪

【着物1242】

昔ながらの白地に茶系の絣、八重山上布らしい着物です。整然と並ぶ糸巻き柄が端正な趣きのお品、真夏の陽射しに凜と映える一枚ですね。

【着物524】

淡いベージュ地に井桁やトーニーの絣を置いた着物。さっくりとして張りのある布に草木の穏やかな色が溶け込んでいます。素朴でナチュラルな表情のお品は、どなたにも優しく寄り添ってくれそうですね。

素朴な糸味に野趣を残した八重山上布。
昔ながらの白上布の清々しさ、色上布の鮮やかさ、あなたはどちらがお好みですか。

この時季は、少しずつ八重山上布が登場します。
今年こそは上布を、とお考えの方、ぜひこちらからもチェックしてみてくださいね。

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